2023.02.06 ドローン物流の観光利用を実験、採算性検証や価値体験の創出目指す 大分県杵築市
キャンプ場に向けて飛び立つドローン
ドローン物流の実証事業を推進している大分県は、杵築市山香町の大分農業文化公園(るるパーク)で、キャンプ場に特産品などを空輸する観光サービスの実証実験を4、5日に行った。11、12日には同市内の観光拠点と国道沿いのカキ小屋を海上航路で結び、特産品などを配送する実験を行う。
県の「ドローン物流地域実装モデル構築推進事業委託業務」の一環。ドローン物流と観光を組み合わせた新たな体験価値の創出を目指す。県ドローン協議会やソフトウェア開発のオーイーシー(大分市)、ドローンシステムのブルーイノベーション(東京都文京区)など県内外の事業者が参加した。
実験はACSL社製の配送ドローン「PF2」(展開寸法=1173×1173×526ミリ、重量=3.8キロ)を使用。キャンプ場利用客からの注文を受け、キャンプ場まで約30㍍の高度で自動で配送。着陸後に自動で積み荷をはずして帰還した。
今回の実験は目視エリア内の自律飛行で、航空法における「レベル2飛行」相当だが、無人地帯での目視外飛行「レベル3飛行」の実装を目指す。昨年12月に解禁された有人地帯での目視外飛行「レベル4飛行」の実装も視野に入れる。
ドローン物流の実装には機体や運用コストなど採算性の課題が残る。実験は、ドローン物流に観光コンテンツとしての付加価値を付けて収益性の向上を図る狙いもある。アンケートを通じてサービスへの評判や適正な提供価格を検証していく。
同時開催した「おおいたドローンフェスティバルin杵築」では、複数のLED搭載ドローンが飛び交うショーやドローンサッカーなど興味・関心を高める催し、空撮体験、産業用を含めた機体展示なども行われた。
(電波新聞、電波新聞デジタルで後日詳報します)