2023.02.06 シャトルにも影響した「猫のヒゲ」 電子部品のショート防止へ OKIグループが「ウイスカ」に取り組み
拡大表示されたウイスカ
メッキの表面に発生するヒゲ状の金属結晶「ウイスカ」。英語で「猫のヒゲ」の意味で、その名の通り、時間とともにゆっくり、針状に成長する。メカニズムは完全には解明されていないが、長く伸びると10ミリメートル以上になるものもある。
これが、プリント配線基板上にある電子部品に悪さをする場合がある。近接した部品に接触し、短絡(ショート)の事故を起こす恐れがあるからだ。
2000年代前半までは、スズに鉛を加えることで、ウィスカの発生が抑えられていた。だが電子機器の環境対応で、鉛を使わない素材が使用されるようになると、再びウイスカが問題視されるようになった。
内外でも、例えばスペースシャトルの制御系で、ウイスカによる回路短絡が起き、打ち上げが遅れたり、発電所の制御機器の不具合が起きたりといった例が報告されている。車載の電子部品が増える中で、自動車メーカーからの規格要求も課題になっている。
そこで、OKIグループのOKIエンジニアリングは、自動車や車載機器向けに、ウイスカの評価サービスを拡充することを決めた。設備を導入、電子顕微鏡なども活用し、試験の実施から評価までワンストップで進める。
自動車業界で「脱系列」も進む中、電子部品業界が自動車メーカーの規格に対応し、商機をつかむのを後押しする。
(7日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)