2020.01.29 「アレクサ」対応機器増える

テレビのアレクサ対応も進む(写真は東芝映像ソリューション)

カーAV機器のAIアシスタント搭載が加速。アレクサ搭載を進める動きが活発だ(写真はCESのパイオニアブース)カーAV機器のAIアシスタント搭載が加速。アレクサ搭載を進める動きが活発だ(写真はCESのパイオニアブース)

日本におけるスマートスピーカの保有世帯数・普及率予測日本におけるスマートスピーカの保有世帯数・普及率予測

家庭用AVやカーAV機器 機能内蔵が本格化 アマゾン・ドットコムのAI(人工知能)アシスタント「アレクサ」への対応機器が拡大している。 従来アレクサを搭載したスマートスピーカ「アマゾン・エコー」との連携が進んでいたが、最近では家庭用AV機器やカーAV機器へアレクサ機能を内蔵する動きが本格化。直接、音声操作や対話ができる機種も増えた。 これまで北米を中心に拡大してきたが、日本国内向け機種のアレクサ対応も始まっており、今後さらに加速する見込みだ。 AIを搭載し音声対話による操作ができるスマートスピーカは、アマゾン・エコーやグーグル・ホームなどを中心に拡充しており、米国では多くの家庭で利用されている。日本でも世帯普及率が20年には10.4%になる見通し(野村総合研究所調べ)で、以降、普及率は右肩上がりに伸びると見られる。 スマートスピーカは内蔵するAI音声アシスタントで様々な情報収集やショッピング、家電製品の操作などができる。既にスピーカと連動させるためのアプリケーション開発も進み、ソニーや東芝映像ソリューションなどは主力テレビでアレクサ対応をいち早く行うなど、家電メーカー側のソフト開発も加速している。 加えて18年以降、アマゾンやグーグルが直接AIアシスタントを組み込める環境を提供したことで対応機器が拡大した。特にアマゾンのアレクサ対応が進展しており、オーディオやテレビのほか、カーAV機器でも採用され始めた。 主要テレビ各社はグーグルのアンドロイドOSを搭載したアンドロイドTVを拡大してきたが、この数年はアレクサへの対応を本格化させている。 既にLGエレクトロニクスは主要テレビにアレクサを内蔵したほか、東芝映像ソリューションも4K有機ELレグザ最上位機にアレクサを内蔵。これまでグーグルアシスタントやアレクサ、LINEクローバーなどへの対応を図ってきたが、今回、テレビで直接アレクサを呼び出す機能が使えるようになった。 オーディオメーカーでは、ボーズのスマートスピーカがグーグルアシスタントに対応するとともに、アレクサを内蔵している。 カーAVもアップルやグーグルのOSに加えてアレクサに対応し、音声操作などが可能になりつつある。カーオーディオやカーAV機器は、アップルやグーグルのアンドロイドを搭載したスマートフォンと連携ができる「アップル・カープレイ」や「アンドロイド・オート」への対応が進む。純正のカーナビゲーションシステムなどの多くもカープレイやアンドロイド・オートを搭載するようになってきた。 特に北米などではディスプレイ付きのカーAV機器「ディスプレイオーディオ」などが急拡大し、アレクサ対応も進む。1月初旬に米ラスベガスで開催されたCES2020では、カーAVのアレクサ対応が話題になった。 パイオニアは北米向けに展開する大画面のディスプレイオーディオにアレクサを内蔵し、車内でもアレクサを呼び出してハンズフリーで操作できることを訴求。JVCケンウッドはカープレイやアンドロイド・オートに加えてアレクサ対応も強化しており、北米向けのディスプレイオーディオのスマート化を推進する。 国内では、ケンウッドブランドのカーオーディオが20年モデルでアレクサを搭載した。専用ボタンでアレクサを呼び出して音声対話の操作ができる。日本ではカーナビが中心になっており、北米市場のようなスマホ連携を前提としたディスプレイオーディオの市場は小さい。ただ、今後はアレクサをはじめとしたAIアシスタントを搭載する動きが着実に進みそうだ。