2023.02.21 【IHクッキングヒーター特集】製品特長を訴求、買い替え需要喚起

買い替え重要の顕在化に向け、進化した調理機能を訴求することが重要だ

グリルの調理性能はもとより、清掃性の向上などによって使い勝手が高まっているグリルの調理性能はもとより、清掃性の向上などによって使い勝手が高まっている

 200VビルトインIHクッキングヒーターは、家庭で調理をする機会が増えてきている中、安心・安全・クリーンな調理機器として浸透し、市場は順調に伸びている。最新のモデルでは、グリルの調理性能の向上など調理機器としての進化が加速、時短調理ニーズにも応え、使い勝手がより高まっている。買い替え需要、新規需要の顕在化に向けた取り組みが求められる。

 200Vビルトインタイプ(2口以上)の需要は、買い替え需要も加わって、安定した需要がある。IHクッキングヒーターを一度使用したユーザーは、リピート率が極めて高く、そろそろ買い替え時期を迎えているユーザーに対して、タイミングのよい時期だ。

 今期に入ってからは、IHクッキングヒーターの動きが良くなっており、日本電機工業会(JEMA)の出荷統計によると、2022年(暦年)では、前年比103.2%と、3年ぶりの増加になったという。22年12月単月の出荷台数も前年同月比107.5%で、5カ月連続のプラスで推移するほか、22年度累計(4~12月)でも前年同期比107.3%と勢いが良い。

 市場では00年前後の市場拡大期に購入したユーザーの買い替え時期を迎えている。買い替え時期を迎えるストック台数は、500万台以上ともいわれる。

 近年は、コロナ禍で、ライフスタイルが大きく変化しており、自宅で調理する機会が増えている。このため家事負担も増加傾向にあり、時短や省家事が求められるようになっている。

 一方でおいしさ、健康志向も高まっており、こうした多様なニーズに応える機能の開発、進化がIHクッキングヒーターの分野でも進んでいる。

 最新のIHクッキングヒーターは、とりわけ調理性能が大きく進化しており、コンロの繊細な火力制御技術はもとより、グリルの調理性能や、清掃性の高さは、ユーザーにとって魅力的なポイントとなる。

 共働き世帯の増加でまとめ買いが増え、素材を冷凍保存するユーザーも多い。パナソニックの最新モデルでは、冷凍した食材を、そのままグリルで手間なくおいしく焼き上げる〝凍ったままIHグリル〟を搭載するなど、時短調理ニーズに応える機能開発に力を入れている。

 IHクッキングヒーターは熱効率が高く、高気密・高断熱住宅やZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)普及の中で、こうした最新住宅との親和性が高い商品だ。新設住宅での導入拡大が進みそうだ。既築住宅における他熱源からの転換や、既存IHクッキングヒーターから最新IHクッキングヒータ-への置き換え需要の喚起も重要な取り組みとなる。

 既存顧客の買い替え需要を獲得することについては、ユーザーも長年利用してきて、その良さやメリットを実感している人も多いため、比較的提案しやすいはず。リピーター率も高く、タイミングのよい買い替え提案が重要だ。

 10~15年前のIHクッキングヒーターと比べ、IH加熱技術の進化や調理アシスト機能による調理性能の進化、グリル調理機能の進化、操作性・清掃性など使い勝手の向上といったメリットを丁寧に説明することで、ユーザーの買い替えを促すことにつながる。

パナソニックの主力製品

ユーザーニーズに寄り添った商品進化

高級~普及モデルまで充実

パナソニックの200VビルトインIHクッキングヒーター最上位モデルAシリーズ

 パナソニックは、内食化の傾向が強まる一方、手間なくおいしく食事を楽しみたいというニーズに応え、200VビルトインIHクッキングヒーターの商品戦略を強化し、市場をけん引していく。

 同社では「グリル革命」を目指したラクッキングリル搭載のビルトインIHクッキングヒーター高級モデルAシリーズ、中級モデルBシリーズをラインアップする。

 また、普及・ボトムモデルでも新モデルとして22年11月からグリルの手入れ性を高めたKシリーズ、Lシリーズを投入、中・高級~ボトムの各ゾーンで、ユーザーニーズに寄り添う商品戦略で臨んでいる。

 最上位モデルのAシリーズは、ラクッキングリルによる手入れ性、光るリングや光火力センサー、凍ったままIHなど使い勝手の良さへの評価が高い。

 Aシリーズは、「凍ったままIHグリル」機能の進化で、丸魚や食パンも凍ったまましっかり焼き上げ、解凍の手間なく手軽に時短調理ができるメニューが3メニュー増え、計8メニューに拡大した。

 「焼き物アシスト」機能を拡充し、子どもと楽しく一緒に調理できるメニューや、日々の献立に役立つメニューなど、多彩な20メニューを加えた30メニューに対応し、音声と表示でお手軽調理を実現している。

 操作性も向上した。グリル操作部にもフルドット液晶を採用し、見やすく、分かりやすい簡単操作を実現している。

 ■普及・ボトムゾーンもグリルを改良

 昨年11月から発売したK/Lシリーズ最大の進化点はグリルの使いやすさ(手入れ性)で、焼き網をやめ、グリル皿に方式に切り替えた。

 焼き網がないため、今までのように焼き網1本1本をきれいに洗う面倒さがなく、日常洗うのはグリル皿のみと手入れの手間は今までより大きく省ける。

 グリル皿を使うため、下ヒーターに油が当たらず、油煙が上がらず汚れにくい。焼ける食材の数量は、今までと変わらず(サンマの場合4匹)、またグリル皿の方が、小さい食材も置きやすく、調理の幅が広がる。

 同社では高級ゾーンから普及モデルまで、ユーザーニーズに寄り添った商品進化を図ることで、さらなるIHクッキングヒーター普及拡大を目指す。