2023.02.28 上手工作所が「未完成な照明」を本格展開、金具変更で自由度高く

金具を変えれば使い方を変えれられる

 オリジナル家具や金物、照明器具などを手掛ける上手工作所(大阪府豊能町)が、「未完成な照明」をコンセプトとした照明器具の販売に本腰を入れ始めた。フィラメント型LED電球を収めたシェードに伸びる金具は、さまざまな形状のものを選べる上、後から変更も可能。「完成しないことを目指した照明」(徳田健二社長)とし、組み合わせの自由度を高めて独自性を打ち出している。

 同社は、28日から3月3日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されている店舗関連の見本市「ジャパンショップ」に初出展。金属素材を生かした照明器具を多数展示し、注目を集めている。

 特徴的なのは、金具の組み合わせによる自由度の高さだ。例えば天井から吊るして使うペンダントライト。天井から伸びた金具に引っ掛けているだけであるため、外すとランタンのように使うこともできる。金属素材を生かした金具と、あえてむき出しの電源コードがデザインの一体感を生んでいる。アーム型ライトも、アームの長さや形状を変えることでデスクライトから壁付けライトに変えられる。

 現在、EC(電子商取引)で販売しているが、他社とのコラボレーションなど「人との出会いやつながりを大切にして新たな取り組みもしていきたい」(徳田社長)との考えから今回の出展を決めた。空間に溶け込む照明器具が求められる傾向が強まる中、同社が作るような自由度の高い照明器具の需要は高まりそうだ。