2023.03.02 LiB製造でエネ消費を大幅削減 東レエンジニアリングが電極塗工装置を開発
乾燥工程で使用するエネルギー消費量を大幅に減らした東レエンジニアリングのLiB電極用塗工装置
東レエンジニアリングは、リチウムイオン電池(LiB)の電極材を塗布する工程で、エネルギー消費量を大幅に削減する装置を開発した。
LiB電極は、電極材を結着剤や導電材などと練り混ぜて塗液(スラリー)を作成。基材となるアルミや銅の金属箔(はく)に塗布し、乾燥炉で乾燥させて製造する。
乾燥には、外気を約100度まで加熱した熱風を用いるため、大きなエネルギーを消費する。可燃性の溶剤は一定の濃度で管理する必要もある。
新開発の塗工装置「Green Coater(グリーンコーター)」は乾燥炉と有機溶剤回収装置を一体化。乾燥炉に隣接した熱交換機で熱を、冷却器で溶剤を冷やして液化してから溶剤をそれぞれ回収する。
熱風の排気ガスは濃度を下げた上で循環再利用。外に排出する量が低減するため、排気ダクトや排ガス処理装置を簡素化でき、導入コストも抑えることが期待できる。
排気ガスは95%再利用し、LiB製造の乾燥工程で消費するエネルギー量も25%削減できる。
2023年度の受注目標は15億円。26年度に50億円を目指す。
(6日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)