2023.03.07 【この一本】南座「三月花形歌舞伎」(製作:松竹演劇部)
Ⓒ松竹
「三月花形歌舞伎」は、若手歌舞伎俳優が出演する南座(京都市東山区)の恒例興行。4日に開幕した今回は、中村壱太郎、尾上右近、中村鷹之資、片岡千之助、中村莟玉ら平成生まれの俳優が中心となり、歌舞伎三大名作の一つ「仮名手本忠臣蔵」を上演する。
大序より四段目までを解説する「仮名手本忠臣蔵のいろは」で幕を開けると、五段目「山崎街道鉄砲渡しの場」「山崎街道二つ玉の場」六段目「与市兵衛内勘平腹切の場」と続く。最後の「忠臣いろは絵姿」では、七段目から十一段目の名場面をハイライトで見せる。上方式のAプロと江戸式のBプロ、二通りの異なる演出・配役で楽しむことができる。
南座では、同公演から大向うが解禁となった。会場には、「音羽屋!」「成駒家!」との掛け声が響いた。
「忠臣いろは絵姿」では、茶屋娘おせんが平右衛門となり七段目の名場面を踊るなど、男女が逆転するユニークな演出もあり、歌舞伎初心者でも楽しめる。
26日まで。