2023.03.14 【ブルーレイレコーダー特集】多様化する番組視聴ニーズ対応

多彩な録画視聴が楽しめるレコーダーが増えてきている

 さまざまな放送番組を録画できるブルーレイレコーダーの機能が進化してきている。機種も高精細4Kチューナーを搭載し、4K放送を高画質で録画できるモデルから、放送を丸ごと録画できる全録モデルなど幅広い。放送番組数が増える中で、視聴者の趣味や嗜好(しこう)に合わせて、ストレスなく番組視聴できる機能も増えてきた。テレビメーカー各社は、テレビの録画機能では実現できない専用機ならではの機能で録画視聴の楽しさを訴求している。

 国内のブルーレイレコーダー市場は、全体では減少傾向になっているものの、多彩な録画や視聴ができるモデルは底堅い人気だ。国内のレコーダー市場は年間150万台規模(電子情報技術産業協会)で推移しているが、テレビメーカー各社はレコーダーの新製品を投入してきている。各社の製品は多様化する放送番組に対して、テレビでは実現できない新しい視聴ができる機能が特徴になっている。

 一度レコーダーを使うと継続して購入するケースが多いため、レコーダーの良さをいかに消費者に伝えていくかも販促のポイントになってきている。特に、最新テレビに搭載される番組録画機能で満足している視聴者も多く、レコーダーの購入にまで進んでいないケースもみられる。各社が提案しているのは、多様化する番組視聴ニーズに柔軟に応えていくことだ。

 各社の製品をみても録画機能や再生機能が多彩で、それぞれの生活に合わせて放送コンテンツが楽しめるようになってきている。最新のモデルは4K対応だけでなく、視聴者に合わせて簡単に自動録画できる機能が充実してきている。加えて、効率よく視聴できるように外出先にコンテンツを持ち出したり、時間を短縮して視聴できる機能を付けるモデルも出ている。

 最近のレコーダーの動きをみると、放送番組を丸ごと録画する全録モデルと、好きな番組を設定して自動録画するモデルに分かれる。全録モデルはあらゆる番組の録画忘れを防ぎ、時間に関係なく好きな番組が見られる。TVS REGZAが先行して、「タイムシフトマシン」を投入してきたが、現在はパナソニックも豊富な全録モデルを用意して需要に合わせた提案を進める。

 全録モデルは、4Kテレビを購入した層にセット提案するだけでなく、4Kテレビ購入後、数年が経過した層に対しても新たな視聴体験の一環として提案できる。さらに、好きな番組を自動で録画してほしいという要望も多く、単価の高い全録モデルまでは必要としない層もいる。

 この層に対しては、キーワードやジャンル選択で好みの番組を自動録画するモデルもある。ソニー、シャープはドラマを丸ごと録画する機能を前面に出す。さらに、パナソニックもドラマやアニメを1クール丸ごと自動録画するモデルを発売した。

 各社のレコーダーは、膨大な番組から自分の興味のある新たな番組を簡単に見つけることも可能。インターネットへの接続でお勧め番組を知らせるモデルも増えているほか、外出先でもスマートフォンで録画番組、放送をリアルタイムで視聴できる機能も人気になっている。視聴時間を短縮できる時短再生もレグザやディーガなどで実現し、若者が気にするタイムパフォーマンス向上(タイパ)の要望にも応えられる。

 メーカー各社はこうした多彩な機能を訴求することで、新たな需要を掘り起こそうとしている。

パナソニックの主力製品

「ディーガ」最新機種DMR-2W202/102

ドラマなど1クール自動録画

主力ブルーレイディスクレコーダー「ディーガ」の新製品2機種

 パナソニックは、3月上旬から主力ブルーレイディスクレコーダー「ディーガ」の新製品2機種(2テラバイトモデル、1テラバイトモデル)を発売した。好きなドラマやアニメをまとめて視聴したいという要望に応え、指定したドラマなどを自動録画して保存する機能や、効率よく短時間で録画番組を視聴できる機能を付けた。

 新製品2機種は、ドラマやアニメを1クール自動で録画できることが特徴だ。ジャンルと時間帯を設定しておけば、指定した番組を予約なしで自動録画する。設定も簡単で、ジャンルはドラマとアニメから選択、時間帯は朝・午後・ゴールデンタイム・深夜から選択するだけ。ゴールデンタイムのドラマと深夜アニメをそれぞれ録画することもできる。

 録画保存は約90日で、保存期間中であれば録画したアニメやドラマをいつでも再生できる。1クール放送終了後に最初からまとめて見ることができるだけでなく、気に入った番組はリモコンのボタン一つで自動消去されないよう保存可能だ。自分の好きな歌手やタレントを応援する〝推し活〟も簡単にできるようになるという。

 録画番組は家でも外出先でもスマートフォンで楽しめる。利用者から評判のよい無料のスマホアプリ「どこでもディーガ」を使えば、スマホで録画済みの番組だけでなく、放送中の番組をリアルタイムで視聴できる。外出中でも見たい番組が始まればリアルタイムで視聴できるほか、アプリから録画予約も可能。録画番組を持ち出す機能を使えば通信できない環境でもコンテンツを楽しめる。

 とりためた番組を効率よく探し再生できる機能もある。気になるシーンをプレビュー画面から探せるほか、時間を短縮して再生視聴もできる。音声付きで録画番組を1.3倍か1.6倍速で再生。1.6倍速であれば1時間番組を約38分で再生できる。業界で初めて高精細の4K放送の録画番組も1.6倍速の早見再生できるようにした。同社ではZ世代の若者で話題になっているタイムパフォーマンス向上(タイパ)にもつながるとみている。

 価格はオープン。市場想定価格は2テラバイトの「DMR-2W202」が6万6000円前後、1テラバイトの「DMR-2W102」が5万9000円前後。

 同社は放送番組を丸ごと録画する全録モデル「全自動ディーガ」をはじめ、4K録画対応からハイビジョン録画対応まで幅広い製品群を用意している。新製品で多様化するニーズに柔軟に対応できるようにしていく。