2023.03.15 「地上」の大企業も衛星参入へ 古河電工が東大とタッグ

発表のもよう(東大の中須賀真一教授=左=と古河電工の枡谷義雄取締役)

 スペースXのように、多数の衛星を利用する小型コンステレーションに向け、衛星開発数が爆発的に増大する可能性が高まっている。

 こうした中、古河電気工業(古河電工)は15日、衛星事業への参入方針を発表した。東京大学と人工衛星に関する社会連携講座を開設。共同研究を通じ、小型・超小型人工衛星の開発・製造・供給体制を構築・強化。衛星サービスの基盤づくりを目指す。

 目標は2030年で100億円規模の事業創出。競争力のある衛星サービスを生み出す基盤となるビジネスエコシステムの創成を目指す。

 古河電工は元々、電線をはじめ光ファイバーケーブルやレーザーなどのフォトニクス技術、車載部品などに強みを持つ。新たな事業領域の一つとして宇宙領域への展開を推進する。培ったの総合的な関連技術などを活用。機器の小型化や通信の高速化・大容量化に対応する新しいソリューションの提供に向けて取り組む。

 講座長になる東大の中須賀真一教授は会見で、「衛星製造の請負のほか、製造の最先端コンポーネントの供給元になってほしい」と、「日本発」の衛星のさらなる展開へ期待を込めた。
(16日付の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)