2023.03.30 日立アステモ、IPO視野に株主構成変更 投資会社が出資、日立とホンダ対等に

 日立製作所などは30日、日立アステモに投資会社のJICキャピタルが資本参加し、資本構成が変更されると発表した。従来は日立とホンダが2対1の割合で出資しているが、9月から日立4割、ホンダ2割、JIC2割に変更される。さらに、日立アステモとして株式公開(IPO)を視野に入れる方針も表明した。

 今回のスキームでは、日立アステモはJIC側に種類株式を発行し、約1400億円が調達される。その一部を使って日立から自社株式を買い取るなどする。またホンダも日立からアステモ株を買い取るなどする。

 一連の資本構成変更後、日立とホンダは持ち株比率各4割の対等な立場になる。日立アステモとしての新規の資金調達は約285億円になるという。

 日立アステモは日立やホンダとの関係を生かし、CASE領域で競争力のあるモビリティーソリューションを提供するグローバルメガサプライヤーとして地位を築いてきた。

 100年に1度と言われるような自動車、二輪車業界の大変革期を迎える中、競争優位性のあるソフトウエア開発力を発揮。電動化や先進運転支援システム/自動運転、先進シャシー、次世代モーターサイクルといった先進分野への投資を加速することで、持続的な成長を図っている。

 グローバルでは、仏ルノーが米半導体大手のクアルコムの参画も得つつ、子会社で電気自動車(EV)に取り組む例や、米インテルが子会社モービルアイを軸に自動運転を進めるなど、電動化や自動運転を巡り、グループで取り組む例が相次いでいる。

(31日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)