2023.06.14 KDDI 万願寺甘とうの生産にIoTシステムでサポート 安定生産を目指す

KDDIが提供しているスマート農業向けシステム

 京都府舞鶴市周辺が発祥となっている「万願寺甘とう」。この生産にKDDIのIoTシステムがかかわっている。センサーを活用して「日照量」「温度」などの栽培情報を収集・クラウド上へ蓄積。栽培知見を確立し万願寺甘とうの安定生産を目指している。

 KDDIは舞鶴市と18年に連携協定を締結し、万願寺甘とう栽培におけるスマート農業への取組などを推進。20年からはKDDIのIoTセンサーを5カ所の万願寺甘とうの生産農家に設置。「日照量」「温度」「湿度」などの数値を見える化し、生育状況との相関を分析し、高収量生産者の好事例を生産者間で共有することを目指している。

 現在は舞鶴市だけでなく周辺自治体の生産農家などにもIoTシステムを設置し、9カ所の農家に拡大した。また、昨年からは生産物が病気となるタイミングを知らせるアラート機能を搭載。機能も拡充している。

 14日には、舞鶴市役所でGI(地理的表示保護制度)万願寺甘とうの調査研究会・意見交換会を実施。関係者が集まり17年に取得した万願寺甘とうのGIの状況確認や生産現場の見学などを行った。

 生産現場では、実際に取り付けているIoTセンサーで計測した温度や湿度などをスマートフォンで確認。生産者の添田潤氏は「センサーでデータに基づく指導をしてもらえるようになった。細かく的確に情報をもらえるようになり、作業を行えるようになった」と話した。