2023.06.19 各地域電器店、商品券や助成を“隠し玉”に 国・自治体の補助金を活用

国の補助金でエコキュートを訴求しているヒラシマ電器

 物価高、電気料金値上げが家計を圧迫する中、国や自治体による省エネ家電の購入補助金、ポイント制度が有力な販促材料になっている。一方、制度への認知不足もあり、各地域電器店は顧客との商談や案内で申請を促し、販促に活用している。

 三菱電機ストアーの武田電機商会(兵庫県加古川市)は、同市が12日からスタートした「省エネ家電買替促進事業補助金」制度を活用し、省エネエアコン5台、冷蔵庫1台を販売。独自のチラシを作成し顧客に配布した。

 市の補助金は、冷蔵庫やエアコンの省エネ基準達成率100%以上の機種が対象。15%を上限に(最大5万円)を助成する。同店では「7月にも個展を開催するが、300部ほど招待状を配布し、補助金をアピールする」と話す。

 日立チェーンストールのヒラシマ電器(北九州市八幡西区)は、国土交通省の「こどもエコすまい支援事業」を活用して、エコキュートやシステムバスを訴求。特にエコキュートは設置から10年以上経過し、買い替え時期を迎えた顧客が多く、補助金が熱源転換の決断を後押ししているという。

 パナソニック系の市橋電気なかよし店(東京都板橋区)は、製品購入時に「東京ゼロエミポイント」を紹介している。設置済みのエアコン、冷蔵庫、給湯器、照明器具を省エネ性能が高い対象家電に買い替えた際に、商品券などと交換できるポイントを付与する制度。最も利用されるのはエアコン購入時だという。

 提案の際には、省エネ性能や各モデルとの違いに加え、ポイントの説明も行う。申請手続は店が行い、申請に必要な身分証のデータは申請後にすぐ消去するなどプライバシーにも配慮している。

 制度が始まった際、ⅮMを発送してエアコンの買い替えにつなげようとしたが、顧客の反応は思ったほどなく、今も制度を知らない人が少なくないという。「(もらえる商品券は)お客さまにとって、ちょっとしたお小遣いの感覚。製品購入時の隠し玉として紹介する」と同店は話す。
(20日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)