オーディオとホームシアターの展示会「OTOTEN2023」（主催＝日本オーディオ協会〈JAS〉）が24、25日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催されている。各社の高級オーディオを試聴体験できる絶好の機会とあって、初日からオーディオファンが駆け付け、試聴ブースはどこも盛況だ。

　「人が入り過ぎてお待ちいただいている状態。普段聴けないハイエンドオーディオを聴きに来られる方が多い」。手書きの「満席」という張り紙を出しながらそう話すのは、英国のオーディオメーカー・KEF日本法人の滝澤正昭マネージャーだ。

　同社は最高峰モデル「Bladeシリーズ」をはじめ、ワイヤレスHiｰFiスピーカー「LS60 Wireless」などで時間帯を分けて試聴イベントを実施。どの回も盛況だ。

　これはKEFに限った話ではない。パナソニックの高級音響ブランド「テクニクス」も、オーディオ評論家・小原由夫氏の解説を交えた試聴会を実施するなど、目当ての試聴イベントに参加しようとするオーディオファンで会場はあふれかえる。

　一方、若い世代の来場も目立つ。JASは今回、若い世代の来場促進を目指した“仕掛け"を打っており、その一つが、名古屋芸術大学が学生や卒業生のために立ち上げた音楽配信レーベル「NUA Records」を紹介するセミナー。同大の学生自身が登壇して配信する楽曲を説明するとともに、来場者に試聴してもらった。

　「初出展組」も若年層の来場促進に一役買う。

　完全ワイヤレスイヤホン「AVIOT」の展開で若年層にも浸透するプレシードジャパン（東京都渋谷区）は今回が初出展。同社初の本格的なワイヤレスヘッドホンを展示するとともに、取り扱う英国ケンブリッジオーディオの機材を使って試聴できるようにした。

　営業本部マーケティングセールス第1部の浅利圭介部長は「若い世代だけでなく、コアなオーディオファンにも完全ワイヤレスイヤホンだけではないということを知ってもらいたい」と話した。