2023.06.27 【複合機&プリンターソリューション特集】電帳法・インボイスソリューション

電帳法・インボイス制度への対応は、各社最大のテーマとなっている

各社は、導入しやすいソリューションを提案各社は、導入しやすいソリューションを提案

法制度改革でまったなし

対応ソリューション提供へ

 電子帳簿保存法(電帳法)は、2024年1月から全面的に義務化される。2年間の猶予期間も余すところ半年となった。また、10月からはインボイス制度(適格請求書保存方式)が施行される。こうした法制度の改革に、企業は待ったなしの対応を迫られる。紙業務の電子化や業務フローの改革は、今後、避けて通れないだけに、電帳法対応やインボイス対応を業務の電子化の入り口、第一歩として業務改革へつなげていくことが求められる。

 改正電帳法は、従来は請求書や領収書など電子データで受け取った場合、紙による出力が認められていたが、電子データでの保存が義務付けられた。多くの企業が対応に間に合わず、2年間の猶予期間が設けられ、電子データで受け取った書類のデジタル化義務は延期されていたが、いよいよ本格的対応が求めれてくる。

 さらに今年の10月からは、消費税の仕入額控除の方式として、インボイス制度が導入される。インボイスは、期限までに制度対応できない事業者は、消費税納付額が増加することになる。

 猶予期間が残り少なくなってきている中で、企業は対応を迫られているが、特に中小企業の場合、人手不足、特にIT専任人材が不足していることもあって、対応に苦慮しているというのが現状だ。

 複合機メーカーは、入出力デバイスとしての複合機と電帳法やインボイス制度に対応したソリューションを提供。当面の法制度対応、さらにその先の業務フローのデジタル化まで支援策を強化している。

 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン(富士フイルムBIジャパン)ではこのほど、東京・豊洲の同社本社で「Bridge for Innovation 2023 TOKYO」を開催した。中でも電帳法・インボイス関連への関心が高かった。

 「当社は、好評の10万円からできる電帳法や専門ベンダーと連携した、さらにステップアップしたソリューションを訴求している。電帳法への対応は、業務フローの電子化の入り口になる」と、富士フイルムBIジャパンの大森章司販売推進部販売促進室室長は話す。

 富士フイルムBIでは、さまざまな専門ベンダーとの連携を強化している。同イベントでもfreee、勘定奉行クラウド、楽楽明細など電帳法での連携を訴求していた。インボイスについても、TOKIUM(東京都中央区)と協業し、請求書受領クラウドサービス「TOKIUM インボイス」を提供開始している。

 同社では、協業を通じて、企業間取引で発生する経理業務のデジタル化、効率化を実現を目指している。

 リコーは、「RICOH 証憑電子保存サービス」を提供している。紙やメール、ファクスなど、さまざまな形式で送られてきた証憑をクラウドにアップロードするだけで、電帳法改正に対応できることを訴求。同社は、Sansanと業務提携し、電帳法やインボイス制度などに対応した新サービス「Bill One for RICOH」を開始した。

 法令対応とデジタル化を同時に実現する「トレード帳票DXシリーズ」をラインアップ。「全国の中堅・中小企業に向け、地域密着の伴走型サポートでDXによる業務改善」(服部伸吾リコージャパン執行役員デジタルサービス企画本部副本部長)を支援している。

 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、企業の業務変革とデジタルトランスフォーメーション(DX)の支援を強化する「DigitalWork Accelerator」シリーズで、電子データの一元管理とデータ活用を促進する電帳法に対応した「電子取引管理サービス」を提供。さらに電帳法に加え、インボイス制度に対応した「請求書受取サービス」を5月から提供開始した。

 コニカミノルタジャパンでは、電子取引のデータ保存に対応した「電子取引スタートパック」を提供している。電子ファイルのサーバー運用からオンサイト・リモートによる保守体制まで構築し、改正電帳法にともなう業務への対応と生産性向上を支援している。

 エプソン販売は、インボイス制度、電帳法に対応したクラウド会計システム「Weplat(ウェプラット) 財務応援 R4シリーズ」を、8月下旬に発売する。

 インボイス制度などの法令改正に対応し、適正な会計処理を実現することで、企業経営の信頼性を高める。また、仕訳データの自動化により経理業務の生産性向上を実現し、現場業務のペーパーレス化にもつなげる。

 東芝テックでも、複合機とクラウドストレージサービス「Collastorage(コラストレージ)」で、紙の電子化など法令改正を支援していく。

 シャープは、電帳法に対応したクラウドストレージサービス「COCORO オフィス クラウド電子帳簿保存」を、5月上旬から開始した。電帳法の要件に沿って取引関係書類のデータを保存できる。

 同社は、スマートオフィスサービス「COCORO オフィス」を提供して、法令対応との連携を強化している。