2023.06.27 シャープ、株主総会を開催「開源節流を徹底し、黒字化を必達する」
定時株主総会に出席する株主
シャープは27日、大阪府堺市の同社本社で第129期定時株主総会を開催した。22年に完全子会社化した堺ディスプレイプロダクト(SDP)がパネル市況の悪化により大幅赤字となった影響で、昨年度2608億円の最終赤字に陥るなど厳しい業績となり、株主配当は無配となった。
これを受け、総会では、当時の経営陣による子会社化の経営判断は正しかったのか、また経営責任を追及する声など厳しい質問が相次いだ。
呉柏勲代表取締役社長執行役員兼CEOは23年度について「開源節流を徹底し、黒字化を必達する」と株主に対し誓った。総会は90分強で終了、取締役選任など4つの議題を決議した。
23年度の取り組みについて呉CEOは、「コスト構造の抜本的見直し、海外事業の拡大、AIoTソリューションなど高付加価値商材の展開、デバイス事業の高収益化に取り組む」と話した。
また「新規事業の拡大加速、ゲームチェンジャーを実現する革新技術・デバイスの開発に取り組む」方針だ。
加えて主軸となるブランド事業のグループ体制を見直し、スマートライフ&エナジー事業(白物、ソーラー、ヘルスケア、AIoT)、スマートオフィス事業(複合機、PC)、ユニバーサルネットワーク事業(テレビ、スマートフォン)へと再編、事業成長を見据えた体制で臨む。
また、技術力向上を目指すべくイノベーショングループを新設した。併せて同社が強いディスプレイやセンサー、カメラ・レンズなど光学デバイスの研究開発を加速させるためPanel-Semicon研究所も新たに設立したことを報告した。