顧客価値の創出にこだわる

徹底的にレビュー図る

　オータックスは、「顧客に役立つ商品サービス」を開発ポリシーに各種商品開発を進めている。DIPスイッチや操作スイッチなどのスイッチ開発では、多くの商品のリニューアルとシリーズ拡充を進めており、端子台では新たに独自構造のスクリューレス端子台を開発。中谷邦夫執行役員テクニカル・品質保証担当兼テクニカルグループ長は、「新商品創出では、自動化によるコストダウン、品質面での改善は言うまでもなく、ユーザビリティーや耐環境性能など新たな顧客価値の創出にこだわっている」と話す。

　スイッチ、コネクター、端子台などの機構部品の新商品開発では、「商品設計部門が顧客価値創出のために商品の構造がどうあるべきかを考えるが、従来と異なる構造に対しては商品設計、工程設計、品質部門の各部門で徹底的にレビュー（DRBFM）を実行し、コスト低減と品質向上の両立を図っている。進化するレーザー加工などの新加工法も取り入れている」（中谷執行役員）。

　医療機器事業では、パルスオキシメーター、超音波診断装置用プローブなどを展開し、新たにブルートゥース内蔵パルスオキシメーターも開発した。

　マザー工場の中国・深圳工場は生産技術部門を有しており、新製品開発での工程設計を担当し、部門レビューの中心的役割を果たしている。このほか、中国、マレーシア、タイの工場での現地開発も進めている。

　先端技術対応ではレーザー加工、超音波バリ取り、自動はんだ付け、インライン成形などの組み立て工法の生産技術導入を推進。医療機器では血中酸素濃度の長期間モニタリングが可能なパルスオキシメーターを開発中。

　カーボンニュートラルに向けた研究開発にも積極的に取り組み、直流400Vを開閉できるスイッチも試作。

　今年8月にはタイ工場の新棟が稼働する予定で、「受託製造を行うDMMS（開発型総合機構製品サービス）事業の拡大につなげる」（中谷執行役員）。