2023.07.20 【ケーブル技術ショー特集】日本アンテナ CATVシステム機器など4つ 保守や省エネ貢献の新技術も

低損失8分配器内蔵46dB型ブースター

 日本アンテナは、ケーブルテレビ事業者が抱えている課題に目を向け、解決する最新の製品と技術を提案していく。今回はCATVシステム機器、集合住宅向け機器、時刻情報ソリューション、地域共創・地域DXの4領域を軸に、既存製品に加え、保守性や省エネなどにも貢献する新技術を披露する。

 全国のCATV事業者にとって、システムの安定運用と、保守運用の効率化が課題になっている。ブースでは長年培ってきた技術による伝送路の監視や、映像障害や機器故障の監視をする装置などに加え、今回は高帯域の損失が少ない衛星放送用の低損失分配器を参考出品する。

 開発した低損失分配器は、衛星放送のIF(中間周波)伝送に使われる3.2ギガヘルツ帯などの高帯域での分配損失を従来とは全く違う技術で減らす。これまで必要だったブースター数を減らせるもので分配損失や端子間のレベル差が少ないまま3.2ギガヘルツ対応システムへ変更できる。集合住宅向けには8分配を内蔵した46dB型ブースターも開発した。集合住宅での3.2ギガヘルツ化(左旋対応)が簡単にでき、集合住宅のブースターを大幅に減らせるようになり、「一般的なビルであればブースターの電力を半分にできる」(同社)とみる。

 さらにCATV事業者向けに電源監視ソリューションも訴求していく。LPWAなどを活用して電源の停止と復帰をリアルタイムで監視しクラウドから確認できるもので、集合住宅などの共用部の電源監視などに活用できる。放送サービスの障害などがあった際の障害切り分けなどが速やかに行え、保守の効率化にもつながる。

 時刻情報向けソリューションはCATV事業者向けの新たな商材として提案していく。標準電波が届きにくい場所に設置した電波時計に、地上デジタル放送の時刻情報を送信する機器で、2023年度中に据え置き型を発売する。病院や学校、施設などの設備時計の置き換えにもなるため、事業者の付加サービス商材として展開できるよう支援する。