2023.07.27 【半導体/エレクトロニクス商社特集】マス商事 ASEANなど海外事業に力 サービス体制強化など

大金 取締役

 製造装置商社のマス商事は、ヤマハ発動機(ロボティクス事業部)代理店として実装機を中心にプリント基板検査装置、クリームはんだ印刷機など、SMTに関わる装置を幅広く扱う。

 本社を昨年、新幹線・新横浜駅近くの横浜市港北区新横浜3丁目に移転した。これに伴い従来の本社(横浜市港北区新横浜3丁目)の1階に設けていたショールームを全面改装し、展示スペースも2階まで2倍に拡張。SMTのモデルライン「バリューライン」を設けた「テクニカルセンター」として今年1月、新たに運用を始めた。

 3月には同センターで3年ぶりとなるSMT関連の技術セミナーを開催した。大手のFA系、ICT系などさまざまな製造企業が参加し好評を博した。

 同社は国内のほか中国(蘇州、深圳)、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム(ハノイ、ホーチミン)、メキシコ、インドに営業拠点を構え、海外展開する日系企業向けのビジネスに対応している。

 国内、海外営業を統括する大金裕和取締役は、海外の状況について「中国は厳しい状況が続いているが、ASEANがコロナ前の動きを取り戻し、計画通りの売り上げ推移になってきた。タイは日系企業の車載や家電、空調など、インドネシアはオートバイ向け、インドも車載関連向けなどがけん引し、実装機の販売が伸びている。フィリピンも堅調で、インドは車載など実績が増えてきた。ASEAN各国の販売増が中国の落ち込みをカバーしている」と語る。

 海外事業拡大のため、各拠点の営業やエンジニアのサービス体制強化に向けて人員増強を推進。同時に、タイのエンジニアがベトナムの顧客をサポートしたり、ASEAN各拠点のエンジニアがインドの顧客をサポートするなどASEAN域内の横断的な取り組みを積極的に行い、同社の強みとしている。

 大金取締役は「ASEANでも工場の現場技術者らを対象にした技術セミナーを開催してほしい、といった要望が増えている。タイなどで開催を検討している」と話す。