【ICT展望2020】電通国際情報サービス・名和亮一社長 | 電波新聞デジタル
   

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【ICT展望2020】電通国際情報サービス・名和亮一社長

名和社長名和社長

新たなビジネス創出へ

 ―景況感の先行きには不透明感も出ていますが、ICTの市場動向をどう見ますか。

 名和社長 全般的な景況感は先行き不透明になっており、製造や金融分野も決して明るい状況とはいえない。

 こうした中で、IT業界は好調を維持している。デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)やAI(人工知能)など新たなビジネスや競争力を高めるところへのIT投資が進んでいる。

 企業がさらなる生き残りをかけて、ITを駆使し、既存の業種業態を越えて事業変革を進める動きはますます加速していくだろう。

 IT企業は、過去に類似例がないようなユニークな提案力と実装力を、業際を越えて発揮することが求められている。金融ソリューション、製造業ソリューション、ビジネスソリューション、コミュニケーションITの四つの事業セグメントを持ち、先端領域での技術実装力に強みを持つ当社にとって、こうした潮流はまたとないチャンスだ。

 ―19年度(1-12月)は売上高1007億円(前年比110.6%)、営業利益101億円(同122.3%)と大台に乗りました。19年度をどう総括されますか。

 名和社長 売上げ、利益とも2期連続で過去最高を更新した。金融ソリューションは、政府系金融機関や事業会社向けのシステム開発案件が拡大した。

 ビジネスソリューションは、企業の働き方改革を背景とするシステム導入、既存システムの更改需要、人事管理ソリューション「POSITIVE」、連結会計ソリューション「STRAVIS」などのソフトウエアの販売が好調だった。

 また、製造業ソリューションでは、MBSE(モデル・ベース・システムズ・エンジニアリング)ソリューション「iQUAVIS」に加え、CAEおよびスマートファクトリー領域におけるソフトの販売・導入が拡大した。

 ―19年度にスタートした新中期経営計画では「X Innovation(クロスイノベーション)」をキーワードに掲げています。

 名和社長 デジタルテクノロジーの急速な進化により、業種や業界の垣根を越えて新たなビジネス創出に取り組む動きが顕著になっている。

 当社グループの強みであるフィンテック、デジタルマーケティング、スマートエンタープライズ、ものづくり革新などの領域において、業種や業界、地域などの枠を越えたX Innovationを推進し、新たなビジネス創出を目指す。

 昨年7月には、その推進母体となるX Innovation本部を設置して、新規事業開発の組織を集約した。また、全事業部門の部門長を中心に構成する、全社横断タスクフォース「プロジェクトX」もスタートさせた。

 ―20年度はどのような経営方針で臨まれますか。

 名和社長 金融ソリューションでは、金融機関だけでなく一般事業会社によるフィンテックなどの需要を取り込んでいく。

 製造業ソリューションでは、CASE対応に向けた大手製造業のSI需要、また、ビジネスソリューションでは働き方改革、DXへの対応を強化する。コミュニケーションITでは、電通グループが20年に持ち株会社に移行するが、連携をさらに深めていきたい。