2023.07.28 屋外用「ルンバ」同様のロボ、豊和工業が発売へ 佐吉翁ゆかりの老舗がロボ新興ZMPとタッグ
披露された試作機
工作機械などの大手・豊和工業と、ロボットを手掛けるZMP(東京都文京区)は、自動運転清掃車両「EVロボスイーパー」の開発プロジェクトで協業を始め、試作機を公開した。豊和工業の開発した清掃車両に、ZMPの自動運転OSやカメラ、LiDARといった各種センサーを搭載。無人での広域の舗装路面の清掃を可能とする。試作機の性能評価をもとに量産化を進め、2024年の販売をめざす。豊和工業は今後、こうした車両のICT化を進め、海外展開もめざす。
少子高齢化による労働力不足で、あらゆる業界で生産性向上のニーズが高まる中、例えば工場など広大な敷地での清掃業務でも、自動化や省人化が求められる。
豊田佐吉翁の自動織機にルーツがあり、工作機械など幅広く展開する豊和工業は、こうした「特殊車両」のパイオニアとしても知られ、主に公道を走る路面清掃車や、工場・公共施設・レジャー施設などで使われる清掃車などを手掛ける。路面清掃車については国内で9割のシェアを占める。
産業用でも、屋内の限られた範囲で自動的に清掃する機械はすでにあるが、屋外にもニーズが強い。完成した試作機は、屋外に対応するロボットスイーパーとしては国産で初になる。いわば「屋外で動く大きなルンバのようなもの」(同社)。
使用者が設定した経路を自動で走行・清掃。エリア指示による塗りつぶし清掃も可能。LiDARやGNSS、カメラなどのセンシングで、壁際や路肩に沿う形で走行、障害物回避も可能だ。また不具合発生時の自動停止機能や使用者への通知機能を搭載。リチウムイオン電池搭載や電動モーター駆動で、走行時のCO₂排出をゼロにする。ルンバ同様に、自分で充電に行ったり、所定の場所でごみをまとめて排出したり、といった機能もめざす。
こうしたEVロボスイーパーに加えて、従来展開している大きな路面清掃車でも、ごみの効率的な回収などに向けてICT化を図る。さらにこれらの分野では、特に中進国などを中心に需要が多いとみられ、海外展開もめざしていく。
(31日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)