2023.08.09 【コネクター特集】各社、サプライチェーン強靱化に力

米中貿易摩擦の影響大

生産地変更などで対応

 コネクターメーカー各社は、米中摩擦の激化などを踏まえ、サプライチェーン強靭化(きょうじんか)のための生産体制再構築に力を注ぐ。

 コネクター各社へのアンケートによると、「米中貿易摩擦の自社事業への影響」に関する質問では、回答14社で、約7割の9社が「(間接的な影響を含め)影響を受けている」と回答。うち3社は、「大きな影響を受けている」と回答した。

 「米中貿易摩擦への対応策」では、回答11社中、5社が「グローバルでの生産地変更を実施している」と回答、1社が「サプライチェーンの組み替えを実施している」と回答した。

 2018年に始まった米中経済対立は19年以降、激しさを増し、追加関税や輸出品目規制、特定企業を対象とした輸入規制、投資の規制など、さまざまな措置が講じられており、サプライチェーン分断化への懸念が強まっている。

 このため、コネクター各社は、グローバルでの生産体制見直しやマルチ生産体制の拡充、物流体制や調達体制の見直し・強化を進めることで、顧客の部品調達ニーズに対応していくための万全な体制づくりを推進する。

 コロナ禍でのサプライチェーンの混乱を背景に、21年から22年にかけて、エレクトロニクス業界や自動車業界で部品在庫積み増しの動きがみられたが、コネクターメーカー自身も21年以降、コネクター製造に関わる部材在庫積み増しを図ることで、安全在庫の確保に努めている。