2023.08.09 政府保有のNTT株売却、甘利氏発言「感謝したい」 島田社長、NTT法見直しにも言及

質問に答えるNTTの島田社長

 防衛費増額の財源を賄うため、政府が保有するNTT株の売却の検討が自民党内で始まることについて、NTTの島田明社長は9日、「政府が持つ株の売却に対する評価については、我々はニュートラルであり、売却しても継続してもいいと思っている。ただ株主がいるので、一気に売却して株価に影響を及ぼさないように検討をお願いしたい」との見解を示した。同日の決算会見で答えた。

 NTTの株式は政府が3分の1以上を保有することがNTT法で義務づけられている。自民党は、防衛費増額の財源を増税以外で賄うため、甘利明前幹事長を座長とする作業チームで売却の検討を始めることにしている。

 NTT株売却を巡って甘利氏は6日のフジテレビ番組に出演し「5兆円近くになる株をいっぺんに売れば株価が暴落する。20年とかかけて売っていけば、相当長期の安定財源になる」と指摘していた。

 こうした発言について、島田社長は「長期にわたってNTT株を売却することで株価への影響を抑えたいと考えていただいていることはありがたく、感謝申し上げたい」と語った。

 一方、NTT法が定める通信に関する研究開発分野での開示義務については「NTTが電話を独占していた時代を背景にできたもの。経済安全保障やの国際競争上の課題もあり見直しが必要な項目は当然ある」と述べた。

(15日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)