2023.09.04 位置情報ゲーム「信長の野望」に採用 デジタル地図訴求のマップボックス

Ⓒコーエーテクモゲームス

 デジタル地図を手掛ける米マップボックスとソフトバンクの出資するマップボックス・ジャパン(東京都港区)は、ゲーミング市場に展開を図っている。コーエーテクモゲームスが8月末にリリースしたゲーム「信長の野望 出陣」に採用された。高度なデザイン性とカスタマイズ性、開発の簡便さや手厚い技術サポートが特長、と訴求している。

 日本の戦国時代をテーマとした同シリーズは、40年にわたって親しまれている歴史シミュレーションゲーム。「信長の野望 出陣」は同シリーズ初となる位置情報ゲームで、ゲーム背景を形成するベースマップに地図開発プラットフォーム「Mapbox」が活用されている。

 Mapboxは、地図のカラーリングやフォントの種類、レイヤー数が多いことが特長。自由自在な地図描画や細やかなフィルタリングでゲームを作り込むことが可能で、ゲームの世界観に適した地図表現を実現する。

 また、情報の処理スピードが速く、歩行や移動に合わせ滑らかに表示されることから、ゲームプレイヤーのストレスを緩和させる。これらの特長から「信長の野望 出陣」では、戦国時代をイメージした地図デザインの実現と、遊びやすさの向上に貢献した。

 さらに、位置情報ゲームには欠かせないアイテム獲得スポットやチェックポイントの配置を、立ち入り禁止区域や歩行不能な道路などを判断し、適切な場所のみに設置できる「Playable Location(プレイアブルロケーション)」データも提供。禁止エリアだけでなく一般に開放していないエリアやゲームプレイに相応しくない場所(学校の校庭や競技場、スタジアムなど)をマップボックス社で提供した上で、さらに細かく調整する支援をした。これにより、安全なゲーム環境への提供に貢献する。

 今回の同作品は、基本的に歩くことで「領地」を広げたり、歴史上の人物と出会ったりすることができるもの。名城訪問など歴史好きな人だけではなく、ウオーキングが趣味の人など幅広い世代に訴求できる。

 マップボックス社は、コーエーテクモゲームスの採用実績を皮切りとして、柔軟なカスタマイズ性や開発の簡便さという特長をもとに地図データを活用したゲーム開発に貢献していく。

(5日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)