2023.09.22 【部品メーカー商社ASEAN特集】オータックスエレクトロニクス(タイランド) オータックス

第2期工事が完了したタイ工場

富田 社長富田 社長

タイ工場拡張、メインに位置付け

 オータックスは、タイ工場の第2期工事が完了し、9月から新工場での生産を開始した。これによりタイ工場の総建屋面積は約1万平方メートルに拡張された。同社では、タイ工場を(中国工場に次ぐ)グローバル生産におけるサブメイン工場に位置付け、順次生産規模を拡大していく計画。

 タイ工場「オータックスエレクトロニクス(タイランド)」は2013年10月に設立された。立地場所はバンコク市近郊のプラチンブリ県ハイテクカビンブリ工業団地。エアコン用端子台を主力に、操作用スイッチも生産し、年々実績を拡大している。

 タイ新工場は、既存の第1工場(建屋面積約3000平方メートル)と同じ敷地内に、建屋面積約7000平方メートルの工場を増築したもの。オータックスの富田周敬社長は、「チャイナリスクや為替リスクを考慮し、安心できるサプライチェーンを構築するため、タイ工場拡張を決めた。今後、『チャイナ+1』を本格化させていく」と話す。

 ASEANではこのほか、マレーシア工場も展開しているが、マレーシア工場は現地ローカル市場向け生産に重点を置き、タイ工場はグループのグローバル生産におけるサブメイン工場として今後も生産規模を大きく拡大していく計画。

 新工場の完成に合わせ、タイ工場全体のレイアウトを変更し最適化を進めるとともに、順次、生産設備の導入を進めている。「中国工場の設備をタイに移管し、自動化を加速させていく。10年後を見越した自動化を進める。このため、中国工場のエンジニアや管理部門がタイに出張し、サポートしている」(富田社長)。

 タイ工場では、端子台や操作用スイッチの生産能力増強とともに、今後はDIPスイッチや電源スイッチ生産も検討する。将来的には、ファブレスメーカー向けに機構部品の設計・製造から完成品の設計・組み立てまでを請け負う「DMMS(開発型総合機構製品製造サービス)」の提供にも力を入れる。タイでは今後も新たな工場建屋の取得を進める方針。