2023.09.22 【部品メーカー商社ASEAN特集】ベトナム・クアンガイ工場 スミダコーポレーション

ベトナム・クアンガイ工場の外観

畑山 VP畑山 VP

ベトナムで積極的に生産体制拡充

 スミダコーポレーションは、ASEANではタイおよびベトナム(ハイフォン、クアンガイ)に製造拠点を置く。中期経営計画のテーマの一つに「ベトナムでの生産能力拡大」を掲げ、ベトナムでの積極的な生産体制拡充を進めている。

 畑山佳之VP(アジア製造戦略)は「チャイナリスクを踏まえ、顧客からのASEANでのモノづくり体制構築要求が非常に強いため、そうしたニーズに応えるべく体制拡充に努めている」と説明する。3拠点とも現地ローカルによるオペレーション体制が構築されており、「成長戦略を通じて従業員が豊かになることを戦略の基本とする」(畑山VP)。

 ベトナムでは北部ハイフォンと中部クアンガイに工場を展開。ハイフォン工場は民生用を中心としたパワーインダクターやトランスを生産し、一部、車載製品の生産も開始した。クアンガイ工場は車載向けコイル部品などを主力に、近年はEV(電気自動車)用トランスで実績を拡大している。

 クアンガイ工場はEVなどでの旺盛な需要に対応するため、第1工場に続き、第2、第3工場を建設し、稼働を始めた。これにより、同工場の生産エリアは計約2万5000平方メートルに拡張された。「クアンガイではEV用トランスを大量に製造できる体制を構築する」(畑山VP)。

 タイ工場は車載製品を中心に医療系部品なども生産し、ほぼ自動化された生産ラインで高度な生産を行う。

 ASEANでは設備の現地調達化が進み、タイ工場の設備現調率は100%に近づいている。クアンガイ工場の設備現調率は現在約5割だが「2024年には80%前後まで高める方針」(畑山VP)。材料調達は中国調達比率が高いが、「調達体制を再構築し、サプライチェーン最適化への取り組みを進める」(畑山VP)。

 畑山VPは「今後も顧客ニーズに対応し、ASEAN生産を拡充する。工場拡張も視野に早めに手を打っていく。現地スタッフを育成し、ASEANの製造技術を中国レベルまで向上させる」と話す。