2023.10.26 【次世代自動車用部品特集】トーキン メタルパワーインダクター「MPGVシリーズ」を開発 ECUアプリ向けに提案

MPGVシリーズ

 トーキンは、車載用メタルパワーインダクターを拡充する。耐振動性を50Gに向上させた車載対応メタルコンポジット・パワーインダクター「MPGVシリーズ」を商品化し、販売開始した。従来以上の高耐振動性が要求される各種車載ECUアプリケーション向けに提案する。

 車両の電動化や運転支援技術の高度化、コネクテッド機能追加などにより、車載ECU市場は拡大している。加えて機電一体化トレンドもあり、車載ECUは従来以上に過酷環境下への設置が求められている。このため車載ECU用パワーインダクターにも高耐熱や大電流対応だけでなく、過酷な振動への耐久性も求められる傾向にある。

 同社は2020年に車載ECUのDC-DCスイッチング電源回路に最適な表面実装対応メタルコンポジット・パワーインダクター「MPXVシリーズ」(使用温度上限155度)を発売、21年には「MPEVシリーズ」で180度対応ラインアップを拡充。耐熱性に優れた金属磁性材料と、独自の巻線と成形技術によるメタルコンポジット構造により、高い磁気飽和特性を持ち、優れた耐熱性と大電流に対応する。

 MPGVシリーズは、従来の巻線成形技術に加えて独自の端子構造を組み込むことで、50Gの耐振動性を実現した。サイズ10×10×5.4ミリメートル、インダクタンス範囲0.47~47.00マイクロH、定格電流3.6~30.9A、全13種類を用意。使用温度範囲はマイナス55度からプラス155度(自己温度上昇含む)で、AEC-Q200準拠、PPAP対応。表面実装、磁気シールド構造により小型・低背で省スペースに貢献。また音響ノイズや漏えい磁束の低減により周辺部品/回路への磁気的影響を低減することが可能。

 用途はe-Axleやエンジン周辺機器、高出力モーターなど高い耐振動性が要求される車載ECUの高温・大電流対応の駆動回路のノイズフィルターやDC-DCコンバーター用のインダクターを想定。電動ウォーターポンプや電動パワステなどへも拡販する。