2023.10.26 【次世代自動車用部品特集】メイコー 熱電分離基板、高性能ヘッドランプ向け 銅ポスト部に直接LED実装し高放熱実現

熱電分離基板

 メイコーは、電子化・電動化が進む自動車向けに各種プリント配線板を製造・供給している。特に最近は、統合型ECUへのシフトに伴う技術要求への対応や、EⅤ(電気自動車)化への対応、センサー、パッケージへの展開などを強化している。

 同社は、電子制御ユニットのHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューター)へのシフトに伴う車載用電子回路基板の高周波や部品の低電圧化によるノイズ対策技術、低CTE(線膨張係数)、放熱技術要求に対応した製品開発を推進。放熱性に優れる銅インレイ基板や選択的なスルーホールへのめっき厚付けによって放熱を行うメガスルホール基板、部品内蔵基板などの技術を組み合わせることで、付加価値の高い製品開発を進める。

 直近の研究開発では、同社パワーエレクトロニクス武漢センターが主となり、EVに搭載する高性能ヘッドランプ(ADBランプ)向けの「熱電分離基板」を開発。上海国際車載ランプ展示会で発表して好評を得た。「熱電分離基板」は、メタルベース基板のベース銅に凸状の銅ポストを形成し、銅ポスト部に直接高輝度LEDが実装されることで高放熱を実現する。

 2023年度の上半期は、自動車生産台数の回復に伴い、自動車部品メーカーの流通在庫適正化の後、プリント配線板の受注が回復に向かっている。

 同社は、中長期の事業拡大に向け積極投資を実施している。今月、国内新工場として「天童工場」(山形県天童市)が竣工(しゅんこう)し、24年度からの本格出荷を予定。天童工場は同社の国内最大規模の工場となり、車載用基板を中心とした生産を行う。

 このほか、5月に改築が完了した「石巻第2工場」(宮城県石巻市)では、新事業である半導体パッケージ基板の顧客の認定活動が進んでいる。