2020.03.05 ケーズデンキ水戸本店 「つながる家電」コーナーなど実験的取り組み

開店から20周年を迎えたケーズデンキ水戸本店

塩津店長とペッパー(「つながる家電」コーナーにて)塩津店長とペッパー(「つながる家電」コーナーにて)

「つながる家電」コーナーにあるIoT玄関ドアも実演できる「つながる家電」コーナーにあるIoT玄関ドアも実演できる

1階に8カ所デジタルサイネージを設置し、来店客に情報発信している1階に8カ所デジタルサイネージを設置し、来店客に情報発信している

年配客の来店が多いため、各所にベンチを設置しいつでも休めるようにしている年配客の来店が多いため、各所にベンチを設置しいつでも休めるようにしている

 ケーズデンキ水戸本店(水戸市)は、地域における抜群の知名度を生かし、全国のケーズ店舗の中でもトップの売上げ規模を誇る。

 約100人の体制で運営する同店は約7300平方メートルの2階建てで、広い売り場を生かして実験的な取り組みを進めている。一つは「つながる家電」コーナーの設置だ。

 このコーナーでは玄関ドアや電動シャッタなどの住設関連を含む様々なIoT機器を取りそろえている。スマートフォンやタブレット端末、スマートスピーカで操作できるようにしたIoT体験売り場だ

 店舗入り口を入って右側に広めの売り場を確保して展開している。4人の専属スタッフを配置して「50代以上が中心」(塩津裕章執行役員店長)という客層にも響く、分かりやすい説明を心掛けている。19年4月27日から設置し他店への展開も進めているところだ。

 二つ目は、2階へのエスカレータを上がったすぐわきにある「ウェアラブルウォッチ」コーナーだ。19年10月9日に設置したコーナーで、ガーミンやスント、ポラールなどライフログも取れる本格的なスポーツ系スマートウオッチを取り扱っている。

 これまでケーズではアップルウォッチやフィットビット程度しかスマートウオッチは取り扱っていなかった。メーカーとアイテムの幅を広げることで「お客さまからの声をフィードバック」(塩津店長)し、他店への展開を含め売り場づくりを煮詰めていく考えだ。

 三つ目は19年春に設置したデジタルサイネージだ。1階の売り場中央の柱に8カ所設置しており、チラシ情報や最新のお得情報、自宅のテレビからリモコンで買い物できるアプリ「おうちでショッピング」の案内などを常時発信している。

 住設関連機器の前にデジタルサイネージを設置している店舗はあるが、ここまで大々的に展開しているのは水戸本店だけで、「チラシを見ていないお客さまでも情報を得られるようにしている」と塩津店長。これも効果を検証した上で、他店への展開を模索している。

 水戸本店では、全国を代表する店舗として新しい取り組みが各所で行われている。加えて、シニア層の来店が多いこともあり、通路にはいたるところにベンチが配置され、商品選びに疲れた来店客が適宜休めるような配慮も欠かさない。エントランスには年配者用カートも多く用意している。

 417台の駐車場は、平日でも多くの来店客で埋まるほど集客力は高い。1999年のオープンから20周年を迎えたのを機に、外壁を塗り替え、装いを新たに地域一番店を目指した取り組みを推進していく。