2023.11.06 NTTデータグループ社長らが陳謝 全銀ネット大規模障害で 再発防止策を検討

陳謝する(左から)NTTデータの佐々木裕社長、NTTデータグループの本間洋社長、NTTデータの鈴木正範取締役副社長執行役員=6日、東京都千代田区

 NTTデータグループは6日、10月に全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)で発生した大規模システム障害に関する記者会見を開いた。会見に登壇した同社の本間洋社長は冒頭、「預金者の皆さま、金融機関並びに関係者の皆さまに多大なご迷惑、ご心配をおかけした。深くおわび申し上げる」と陳謝した。

 NTTデータグループは会見で、銀行間の送金を担う「全国銀行データ通信システム」のシステム障害に関する状況と今後の取り組みについて説明。NTTデータグループ内に本間社長の直轄組織「システム総点検タスクフォース」を立ち上げたことを明らかにした。

 システム障害の真因分析や再発防止策の検討に取り組むとともに、同社関連の重要システムの総点検を進める計画だ。さらに本間社長は、システム開発に関するKPI(重要評価指標)の有効性なども含めてチェックする考えも示した。

 全銀ネットのシステム障害は、10月10~11日に発生。仕向け銀行が被仕向け銀行に支払う「内国為替制度運営費」を振込電文ごとに入力・チェックする中継コンピューター(RC)で不具合が生じたという。

 システム障害を受けて、全銀ネットのシステムを手掛けるNTTデータグループ傘下のNTTデータは10月27日、金融庁から資金決済法に基づく報告徴求命令を受けていた。

 システム障害の影響は、全国の10金融機関を中心に受けた。2日間で送金と着金合わせて500万件規模の取引に影響が出たと見られる。全銀ネットのシステムと10金融機関をつなぐRCの更新作業が原因とされており、詳細な原因究明を進めていく計画だ。