2023.11.09 鉄道技術展2023が開幕 国内外から659社・団体が出展

東京メトロは、研究開発中の位置情報を活用したタッチレス改札機の展示デモを実施

 国内唯一の鉄道ビジネス展示会「鉄道技術展2023(第8回)」(主催=産経新聞社)が8日、千葉市美浜区の幕張メッセで開幕した。国内外から計659社・団体(そのうち海外62社)が出展し、最新の製品・技術・サービスを披露している。

 鉄道会社をはじめ鉄道車両メーカー、鉄道関連機器・システムメーカー、電子部品メーカー、計測器メーカーなど様々な業種の企業がブースを構え、安全・安心・快適・環境・省エネなどをテーマに様々な製品・サービスをデモを交えて紹介している。

 JR東日本グループは、世界最大の鉄道ビッグデータと災害・気象・交通・施設を載せたデジタルツインプラットフォーム「JEMAPS」の大画面デモを実施。鉄道の混雑情報や運行情報、災害情報などを一つの画面で一元管理できる。このほか、日産の電気自動車「日産リーフ」の廃バッテリーをリユースして踏切用再生リチウムイオン蓄電池として活用する取り組みなども紹介した。

 東京メトロは、研究開発中の位置情報を活用したタッチレス改札機を出品。位置測位情報をもとに、改札通過が許可された利用者の改札通過タイミングをデジタル技術により予測し自動改札機を制御するシステムで、利用者はスマートフォンを取り出すことなしに改札機を通過できる。

 鉄道技術総合研究所は、日本の鉄道網の約33%を占めるとされる非電化区間運行の脱炭素化技術として、「燃料電池・バッテリーハイブリッド試験車両」などの取り組みを紹介した。

 鉄道関連機器・システムメーカーからは、次世代向けの製品・技術として顔認証によるタッチレス改札機や、車両側面カメラとAI(人工知能)を活用した安全確認支援装置、障害物検知システム、鉄道車両の脱炭素化技術など多彩な製品・ソリューションが紹介されている。

 電子部品メーカーも多くの企業が出展し、NKKスイッチズは参考出品としてユニバーサルデザイン照光式押ボタンスイッチ「TB01シリーズ」を活用した「半自動ドアスイッチ音声案内システム(仮称)」の展示デモを実施している。

 同時開催の「第5回橋梁・トンネル技術展」には49社/団体が出展し、橋梁・トンネル・道路・ダム・ビルなどの維持管理者や官公庁・地方自治体、鉄道事業者を対象とした様々なソリューションを紹介している。