2020.03.11 主要電機各社入社式、新型コロナで実施方法見直し 分散やWeb配信など

主要電機各社 入社式の対応

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、主要電機各社は4月に予定していた入社式の実施方法を見直す。

 各社では従業員向けに時差出勤や在宅勤務を推進するとともに大人数が集まる会議やイベントの中止などをしてきた。大人数が集まる入社式も対象となり、少人数での分散開催やWebでの配信に切り替える。

 日立製作所は4月1日に予定していた入社式を中止する。約600人の新入社員は少人数のグループに分かれ、会議室などで入社手続きをするほか、社長のビデオメッセージを視聴する予定だ。例年2日間行っていた合同研修は中止し、配属先の事業部ごとに研修などを行う。

 東芝は本社ホールで予定していた約330人の入社式を取りやめ、少人数に分けて入社手続きを行う。また、社長のビデオメッセージを視聴できるようにする。1カ月間実施していた、少人数にクラス分けした集合研修は期間を短縮して行う方向。

 ソニーは例年、グループ会社を含む新入社員全員を集めた入社式を本社大会議室で行っていたが、今年はグループ26社約900人の入社式は中止する。社長の訓示はWebでの配信に切り替え、新入社員は各自、社内イントラで視聴するよう働きかける。従来行っている集合研修は現在、実施方法を検討中だ。

 三菱電機は例年、創業の地でもある神戸で入社式と集合研修を計3日間実施していたが、今年の約840人(事務系、技術系)の入社式は神戸での開催は取りやめ、各事業所に分散して実施する。社長訓示や研修プログラムは各事業所でビデオ配信を予定している。

 シャープは1カ所に集合する入社式は取りやめて少人数ごとに数カ所に分散して実施する。社長訓示はテレビ会議システムを通じて行う予定。

 富士通は4月1日に予定していた入社式の中止を決めた。約750人の新入社員が、社長のビデオメッセージを視聴する方法に切り替える予定。昨春は、東京都内の多目的ホールに全員を集めて式典を催していた。川崎市内にある同社研修施設で行っていた集合研修もオンライン上で実施する計画だ。

 NECは玉川事業場(川崎市)で予定していた500人の入社式を、数十人規模に分けて複数の会場で開く。社長など登壇者のスピーチは、それぞれの場所からWebでライブ配信する予定。例年行っていた1-2週間の集合研修は、少人数のグループに分けて実施し、その後は各配属先のビジネスユニットでの研修に移る。パナソニックは現在、入社式の開催について検討中としている。