2023.11.15 シチズンマシナリー、基幹部品の加工工場を公開 AMRで自動化 プライベート展を8年ぶり開催

AMRの導入で自動化を図った新工場

 シチズンマシナリーは15日、軽井沢本社(長野県御代田町)の精密加工工場をメディアに向けて初公開した。

 工作機械に取り付ける基幹部品のスピンドル(主軸)を一括生産する工場で、5月に稼働を開始。鉄材の精密な仕上げ加工を行う。月産は550~600台分。

 新工場では、初めて自律走行搬送ロボット(AMR)を活用し加工ラインの自動化を図った。

 AMRで研磨や研削、仕上げなどの各工程後、次工程に部品を自動搬送することでリードタイプを短縮。材料の設置後は全工程をAMRが搬送する。

 併せて、CNC自動旋盤「Miyano ABXシリーズ」の新製品を発表。同社加工機で最大となる加工径80ミリメートルの主軸を備える。EVバッテリー用部品など角物向け加工での主軸大型化のニーズを受けて採用したもので、新工場ではこの主軸も生産する。

 露﨑梅夫取締役執行役員は「自動旋盤機の市場は拡大している」と指摘。エレクトロニクス関係では半導体検査装置に使用する探針(プローブ)の加工向けに需要が増加しているとする。「今は一服感があるが、春先以後再び伸びるのではないか」と期待する。

 来年4月に北上事業所(岩手県北上市)の自動旋盤機を生産する能力を2割増強する増設工事に着工し、今後の需要拡大に応える。

 新工場はプライベート展示会「CFA2023」の一環で公開された。顧客や海外販社社員などに長期ビジョンを提示し、取り組みや製品・技術を紹介するイベントで、5~10年ごとに開催。今年は8年ぶりとなる。15~17日の期間中、3000人の来場者を見込む。

(後日の電波新聞/電波デジタルで詳報します)