2023.11.30 生成AI向け計算能力30倍増へ 識者の会議で経産省 半導体では技術流出防止も

 経済産業省は11月29日、半導体・デジタル産業戦略検討会議を開き、成長戦略の改定案に示した。生成AI普及を視野に、開発に必要な国内の計算能力を、2027度末までに現状の約20~30倍に拡充する目標を掲げた。経済安全保障で重要物資とされる半導体の製造強化へ、取り組み方針の改定を検討していることも表明した。

 半導体では、製造装置や部素材のサプライチェーン上流にある部品や素材などを新たに支援対象に追加するため、半導体の安定供給確保に向けた取り組み方針の改定を検討中とした。

 また、技術管理への対策として計画認定に当たり、重要技術へのアクセス管理(重要技術の特定・管理体制、アクセス可能な人の限定)、重要技術を扱う人への対応(守秘義務誓約、再雇用制度を含めた適切な待遇)、取引先企業との秘密保持契約、外国への技術移転への対策など、他国への技術流出防止を含めた管理を盛り込む方針を示した。

 技術管理を巡っては、米国ではチップス法で助成対象者に対し、懸念国での生産能力拡大や懸念企業との共同研究などを禁じ、違反した場合には助成金の返還を求める、いわゆる「ガードレール条項」を設定している。
(12月1日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)