2023.12.06 独インフィニオンがセンサー「XENSIV」を紹介 MEMSマイクロホンやレーダーIC、3D TOFイメージセンサー、環境センサーの4分野に注力

センサーのデモ

プレゼンする浦川部長プレゼンする浦川部長

タッチセンサーも披露タッチセンサーも披露

 独インフィニオンテクノロジーズは、同社のセンサー「XENSIV(センシブ)」の製品群について説明する催しを11月末、同社の日本法人(東京都渋谷区)で開いた。MEMSマイクロホンやレーダーIC、3D TOFイメージセンサー、環境センサーといった注力市場に展開。この4市場では今後、5年間の年平均成長率見込みである17.1%の成長が見込まれ、これを上回る伸長を目指す。

 車載などの強みで知られる同社。車載用半導体ではシェア約12%とトップクラス。蘭NXPセミコンダクターズやスイスのSTマイクロエレクトロニクス、米テキサス・インスツルメンツ(TI)が1割前後で競い合う中でリードしている。センサーのシェアは約16%と、独ボッシュにほぼ匹敵するという

 その技術も活用して展開し、各種のセンサーを強化している。XENSIVの製品の売り上げは全社の約1割を占め、約16億ユーロ(約2600億円)。従来にはない新しいタイプのセンサーを市場に投入。センサー事業の一層の成長を見込んでいる。

注力分野

 レーダーでは、車載や民生、産業の市場をリーダーとしてけん引。グーグルのスマートフォンなどに採用されている。

 3D ToFセンサーは、画素ごとに距離情報を付与し、リアル3Dセンシングが可能。30万画素の能力があり、ジェスチャーや顔認証、特に中国などアジアでドライバーモニタリングシステム(DMS)などにも貢献している。

 MEMSマイクロホンはダイナミックレンジなど性能の高さが特長。ノイズキャンセリングなどさまざまなオーディオのユースケースに適用されている。

 CO₂センサーは、空気質モニタリングや機器の省エネに貢献する。デファクトになっているのとは別方式で、同等性能を保ちつつ小型化を実現している。

 3D磁気センサーは、3次元の磁束密度を検出でき、位置だけではなく角度や回転も検出。非接触のため、高信頼性でありつつ高耐久(壊れにくい)な点も訴求する。

 また開発検討段階として、CMUTと呼ぶ、新たなタッチセンサーも披露した。覆う素材の制限を受けないといった特長もある。

 登壇した、パワー&センサーシステムズ(PSS)事業本部センサーシステムズ&IoT部長の浦川辰也氏は、センサー製品群の競争力を強化し、センサー事業を中核事業へ成長させる、と展望。

 「製品レベルにとどまらず、ソリューションレベルでの提案を強化し、センサー事業で省エネや高齢者見守りなど社会に貢献したい」と展望した。