東芝は14日、株式の上場廃止後に発足する新たな経営体制を発表した。取締役7人のうち、島田太郎社長CEOは続投。残りの6人は、東芝の買収に加わった国内投資ファンドの日本産業パートナーズ（JIP）と出資会社から迎える。新体制は22日に開く予定の臨時株主総会で承認後、立ち上げる。

　取締役会議長には、JIPの馬上英実社長が就任。副社長には、三菱自動車の副社長を務めたJIPの池谷光司副会長が就く。また出資会社からは、中部電力の勝野哲会長、オリックス事業投資本部の井田明一副本部長が加わる。

　東芝は、経営体制の変更に伴う組織改正なども発表した。企業価値の最大化に向けた経営戦略を柔軟に素早く実行するため、指名委員会等設置会社から監査役を置く取締役会設置会社へ移行。また島田社長は、東芝エネルギーシステムズと東芝インフラシステムズ、東芝デバイス&ストレージ、東芝デジタルソリューションズという子会社4社の社長を兼務する。

　東芝は、2015年に発覚した不正会計問題以降続いた経営の混乱に終止符を打つため、安定した経営基盤の構築を目指す道を選択し、非上場化することを決めた。JIP陣営のTOB（株式公開買い付け）は9月に成立し、11月の臨時総会で上場廃止に必要な議案が承認。今月20日の上場廃止後は、JIP陣営の下で再起への一歩を踏み出す。