2023.12.16 FOCUSが神戸でスパコンセミナー開催 利用促進図る

FOCUSが開催したスパコンセミナー。約70人が聴き入る

 計算科学振興財団(FOCUS)と神戸商工会議所が主催する「スーパーコンピュータ・ソリューションセミナー2023」が15日、神戸市内で行われた。

 FOCUSは「FOCUSスパコン」と呼ばれる高性能コンピューターを自前で保有し、企業のスパコン利用促進を図っている。保有するノードコンピューターは富士通製が多く、FOCUSスパコンの次の段階として「富岳」を利用したい企業のステップアップの手助けをしている。

 セミナーでは東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻の吉村忍教授が「スーパーシミュレーションの挑戦~人間の時空感覚を超越する~」をテーマに基調講演を行った。シミュレーションの研究開発プロセスの重要性や、「富岳」を使って東京都庁並みの243メートルに上る発電用大型洋上風車の各種解析の結果などについて解説した。

 特別講演として登壇したパナソニックホールディングスのプロダクト解析センター太田智浩部長の講演テーマは「新たな価値を創出するシミュレーション技術~環境とくらしで貢献~」。解析とシミュレーションを繰り返しながら価値を提供し、ユーザビリティーと材料分析、EMC、電気・人体安全、デバイス創造、電子回路解析、信頼性、バイオ評価の八つのコア技術で価値を提案していくと語る。

 事例講演はバンドー化学伝動技術研究所の森本莉恵氏が、量子化学計算によるIRスペクトルの予測について解説。コベルコ科研技術本部の狩野恒一氏が、ナノシミュレーションによるアルミニウム合金腐食データベースの構築について行った。

 同セミナーには約70人が出席した。

(後日詳細を掲載予定)