2023.12.20 「DXを積極的に推進を」 斎藤経産相が生成AIなど先端技術の支援策にも意欲
報道各社の共同インタビューに応じる斎藤経産相=20日、東京都千代田区
新たに経済産業相に就任した斎藤健氏は20日、電波新聞などの共同インタビューに応じ、「日本の産業競争力強化の観点からも積極的にDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していかなければならない」と述べた。さらに、生成AI(人工知能)などの先端技術領域の取り組みを産業競争力の向上につなげることにも意欲を示した。
斎藤氏はデジタル化で世界の後塵(こうじん)を拝する日本の状況を問題視した上で、「(デジタル化の)遅れの大きな原因の一つはデジタルを利活用する人材の不足だ」と指摘。幅広い学びの場の提供を通じてデジタル人材を育てる施策などを重視した。
経済安全保障の強化や産業競争力の向上という観点から重要性が増す生成AIや量子技術にも言及。中でも生成AIについては「信頼性に留意しながらもスピード感を持ってAI開発力の強化に取り組んでいくことが大事だ」とした上で、「今年度の補正予算を活用してAIの開発に不可欠な大規模計算資源の整備やAIモデル開発への支援を速やかに実施していきたい」と述べた。
斎藤氏は、データ処理の需要が爆発的に増える中、飛躍的に計算力を高める量子コンピューターへの期待感が高まっている現状にも触れ、7月に産業技術総合研究所に設立した「量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター」を活用して高度な計算技術の早期産業化を促す考えも強調。「量子コンピューターのユースケース(活用事例)の創出や素材の評価開発なども力強く進めていきたい」と力を込めた。
(27日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)