2023.12.21 太陽光発電の銅盗難防止にアルミケーブル 損保も普及
らくらくアルミケーブルの詳細(古河電工の資料から)
古河電気工業などが手掛けるアルミ導体ケーブル「らくらくアルミケーブル」が、好調に推移している。太陽光発電設備の盗難対策としても注目され、今年度の売上高は前年度比でほぼ倍増の見込みという。盗難被害に遭ったユーザー向けに、損害保険会社が同ケーブルを紹介するサービスもこのほど始まった。損保業界初の取り組みという。
世界的に銅高騰が続いていることを背景に、銅導体ケーブルを大量に使う太陽光発電設備で、大規模窃盗事件が相次ぐ。検挙も進んでいるが、それ以上に窃盗団数が急増。損保ジャパンでは、太陽光発電設備の盗難に起因する支払保険金は、2022年度は20年度の約4倍に増加。太陽光発電設備に関する大きなリスクとなっている。
また、銅の需要の高まりなどに伴う銅導体ケーブルの供給不足から、盗難被害に遭った後、設備の早期復旧にも支障が出て半年以上かかる例もある。業者の採算に響くだけではなく、電力安定供給への影響も懸念される。
海外では、アルミ導体ケーブルの普及が進んでいるが、アルミ導体ケーブルの敷設には専門的な知見と技術が求められ、日本では普及が遅れている。
損保ジャパンとSOMPOリスクは、銅導体ケーブルの盗難被害に遭った顧客に、らくらくアルミケーブルを紹介し、古河電工産業電線が施工業者にコンサルティングするサービス提供を始めた。
早期復旧や盗難の再発防止を図りで、再エネ安定供給にも貢献する。
(21日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)