2024.01.01 【AV総合特集】各社の24年事業戦略 DXアンテナ 長代輝彦代表取締役社長

 2023年度は、21年度より本格的にスタートさせたカメラ分野で、少しずつ全体の業績に貢献し始めた。また引き続き、お客さまへより良い製品提供を第一に考え、カメラをはじめとした新製品を多数発売、開発に取り組んだ一年だった。

 コロナ禍によりお客さまと対面での機会が少なくなっていたため、全国6都市でエリア講習会も実施し、新製品を提案した。

 ただ今後、住宅着工戸数が減る中、主軸の放送受信関連では自社の強みを生かした製品開発を進めることと、第二の柱としてセキュリティー関連の強化が最重要課題となる。

 24年度は創業70周年を迎え、創業以来培ってきた技術とこれからの時代のニーズに合わせ「放送・通信・セキュリティー」の分野で、提案からサポートまで幅広いソリューション提案をワンストップで進めていく。顧客ニーズに沿った新製品も多数展開する。

 セキュリティー関連では、住まいの防犯対策の強化が注目される中、「ネットワーク・同軸・ワイヤレス」と豊富なラインアップを取りそろえ、録画方式では、レコーダーだけではなく、クラウド上に保存・管理・視聴が可能なクラウド録画サービス「Antenna-eye」のサービスを開始した。

 レコーダーの置き場所がない、あるいは盗難によるレコーダーの持ち出しやデータ破損などの心配もなくなり、手軽にネットワークカメラの導入が可能だ。

 さらに国内サーバーを利用しているため安心して利用できる点も高く評価され、対応製品を増やしていく。

 また、家族やペットの見守りから店舗に最適なワイヤレス対応の卓上型カメラ、工事現場などの遠隔支援・作業支援に最適なLTE対応カメラなど、今春に向け発売を予定している。

 さらにIoTを取り入れた製品開発を進め、さまざまなサービスを付加するような製品開発を検討している。

 通信関連ではカメラ構築におけるネットワーク設計まで、新たにエレコムグループとしてグロクシーが加わったことによりきめ細かなサポートを実現し、ネットワーク構築をトータルで提案していく。

 放送受信関連では、コンパクトかつ高機能なハンディー形の「レベルチェッカー」をはじめ、リモートで複数台を常時監視・測定が可能な「マルチレベルチェッカー 遠隔監視オプション」、住宅の景観に合わせデザイン性を重視した「UHFアンテナ(16素子相当)」、電源分離形で現場での施工性に優れた「CS/BS-IF・UHFブースター(デュアルブースター)」など新製品の販売に取り組み、顧客ニーズに合わせた製品開発とリニューアルを進める。今後普及が期待される次世代5Gに向けた製品開発など新しい事業にも挑戦する。

 サステナビリティーの一環として、CSR調達の締結や製品梱包容器のプラスチック使用量削減、エレコムグループ独自基準をクリアした「THINK ECOLOGY」マーク付与の製品を増やし、地球環境に配慮した製品作りも進める。