2024.01.01 【AV総合特集】各社の24年事業戦略 パナソニックエンターテインメント&コミュニケーション 豊嶋明代表取締役社長CEO
新たな価値提供に注力
ワクワク、ドキドキの感動届ける
2023年はグローバルに市場ごとの状況は異なるが、ロシア・ウクライナ情勢などの影響もあり、われわれの担当するAVC関連においても一部の地域、国では厳しい状況が見られた。
一方で、お客さまの魅力ある商品への見る目は高まっており、人気の出る商品もあり、次につながる手応えを感じられた。
代表的なものでは23年に投入したS5Ⅱ、G9Ⅱ、とりわけフルサイズミラーレス一眼カメラS5Ⅱは、オートフォーカスの性能など、今まで以上にユーザー目線に立ち、クリエーターの皆さまがこういったカメラでありたいという機能を具現化して盛り込んだため、当初の想定以上に非常に売れ行きが良かった。
また、23年6月に発売した完全ワイヤレスヘッドホンEAH-AZ80は、テクニクスで培った音のこだわり技術と使い続けていただけるような工夫を織り込み、非常にご好評をいただき、手応えを感じている。
テレビでは有機ELのフラッグシップモデルMZ2500シリーズが好評だ。有機ELの持つ強みを引き出し画質・音質にこだわった開発に加え、マイクロレンズアレイを搭載し、さらに画質を高め輝度を明るくする革新技術を使ったパネルを使い、パッと見て明るく、目を引く美しい映像表現を実現し、好評をいただいている。
クラウドファンディングで販売し、好評だったコミュニケーションロボット「NICOBO(ニコボ)」も23年5月から一般販売を開始した。
SNSを通し、喜びの声やユーザー同士がどういうコミュニケーションをとっているか会話も深まるなど、ニコボの世界感が広がっている。安らぎを与える商品・サービスを提供する、新たな価値創造の一歩を踏み出すことができた。
オーディオでは、ゲーミングネックスピーカーSC-GNW10も投入した。耳の近くで臨場感ある音が直接響き、ゲームの素晴らしいツールとしてゲーム好きの皆さまに魅力を感じていただけた。
ワイヤレスでコードも邪魔にならずお使いいただける。通常ワイヤレスでは、音と映像の遅延が発生することもあるが、音の遅延が発生しない業界トップクラスの当社が培ってきた通信技術(低遅延専用無線)を盛り込み、好評をいただいた。
こうしたワクワク、ドキドキする感動をお届けする、また安らぎを追求する商品やサービスは、24年もしっかり出していきたい。
24年は23年と比べ、モノ消費とコト消費のバランスがとれ、消費者の購買意欲も上向き、テレビやカメラなどの市場は回復するだろう。サプライチェーンの不安も払拭され、魅力ある商品をお届けすればご購入いただけるタイミングがくると考えている。
多様化するニーズにどうお応えするか、腕の見せ所でもある。例えばZ世代をはじめネットコンテンツを楽しむ方が増え、テレビの使われ方が広がる中、くらしスタイルシリーズのような新たな価値を提供する商品をしっかり提供していく。24年は飛躍の一年としたい。