2024.01.03 【暮らし&ホームソリューション特集】’24各社の戦略 シャープ 菅原靖文執行役員スマートライフ&エナジービジネスグループ長

菅原 執行役員

アジアなど海外市場を拡大
国内、省エネ提案強化へ

 2023年は白物家電、ソーラーなど、スマートホームの実現を目指す事業が一体となったビジネスグループとして、スマートライフ&エナジー事業がスタートし、各事業が相乗効果を高めカーボンニュートラルや豊かな暮らし・社会の実現に向け取り組む新たな体制で臨んでいる。

 白物家電、ソーラー、ヘルスケア全体がAIoTで連携し、くらしの質向上と環境負荷軽減の両立に向け、スピードを上げて取り組んでいく。

 23年の市場環境は、5月に新型コロナが5類に移行して生活スタイルが変化し、レジャーなど外向き需要が拡大する一方、巣ごもり消費が減少し上期は家電販売が総じて苦戦した。円安もマイナス要因に働いた。

 主要製品では、エアコンや冷蔵庫が苦戦した。エアコンは流通在庫が多かったため、猛暑で実需は伸びたが出荷が厳しかった。

 こうした中でも当社では、掃除機や洗濯機、美容家電が健闘した。プラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機やコードレススティック掃除機RACTIVE Air、プラズマクラスタードレープフロードライヤーIB-WX901が好評だった。

 また超音波ウォッシャーではパワーアップし7月に投入した新製品UW-X1がテレビ番組でも取り上げられ好調だ。

 RACTIVE Airについては9シリーズ(サイクロン式)に加え、紙パック式も新たに投入。軽量かつコンパクトなサイクロン式掃除機の新ライン「マイルームスティック」も加え、商品陣容を大幅に強化、販売の上乗せを狙っていく。

 また、「プラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機」ハイエンドモデルのES-X11Bが「ハイブリッド乾燥NEXT」を高く評価され23年度省エネ大賞「経済産業大臣賞」を受賞した。省エネが大きな社会課題となる中、しっかり訴求していきたい。

 さらに、フォークリフトや人の動きをネットワークカメラで検知して物流倉庫のLED照明を最適な照度にコントロールする「つながる照明制御ソリューション」も省エネルギーセンター会長賞を受賞しており、省エネソリューションの提案も強化していく。

 24年は、国内外ともに市場環境は厳しいが、海外事業については拡大を目指す。当社が強いアジア市場で、インバーターエアコンの普及や大容量冷蔵庫の拡大など、付加価値提案を加速していく。

 国内市場で、大きなキーワードとなるのが省エネだ。環境負荷軽減も含め、総合的に提案を強める。

 製品面では、冷蔵庫の新製品として、キッチンになじむ高品質素材であるステンレスドア採用プラズマクラスター冷蔵庫SJ-SF50Mも24年1月下旬から発売する。

 またデジタルヘルスケア領域での機器開発や実証を進め、スマートホームとの融合を強く志向した事業創出にも力を入れる。

 さらに機器の省エネ性向上やマテリアルリサイクルの向上、梱包材料の軽減など、環境負荷をかけないモノづくりを加速したい。