2024.01.03 【暮らし&ホームソリューション特集】’24展望 洗濯機

洗濯機の中では節水性や使い勝手の良さからドラム式洗濯乾燥機が注目されている

ドラム式の関心高まる
節電・節水、省家事で支持

 清潔・快適志向や省家事ニーズが強まる中で、洗濯機ではドラム式洗濯乾燥機への関心が高まっている。洗濯機全体の需要は安定しているものの、洗濯乾燥機の中で、ドラム式洗濯乾燥機の構成比は着実に高まっている。

 ドラム式洗濯乾燥機が注目されるのは、電気代高騰で節約志向が高まる一方、共働き世帯の増加で省家事ニーズも強まっているためだ。節水性が高く、乾燥性能に優れ、かつ衣類の仕上がりも良く、洗濯から乾燥まで一気に仕上げるドラム式洗濯乾燥機が高い関心を集める。

 現在、家電製品全般は、電気代や物価高騰を背景とした消費マインドへの影響や、外向き需要の拡大により、市場全体は厳しい環境におかれている。

 こうした中、家事負担を軽減しつつ、水道代節約にもつながる節水性の高いドラム式洗濯乾燥機へのニーズは潜在的に強いものがありそうだ。

 電力消費の多い乾燥機能では、ヒートポンプ式を採用するなど、ヒーター式に比べより省エネ乾燥を実現する機種も投入されており、より省エネニーズに応える商品開発が進んでいる。

 近年需要が拡大するドラム式洗濯乾燥機は、洗濯から乾燥まで一気に仕上げる利便性が省家事につながるほか、衣類の仕上がりの良さ、節水・省エネ乾燥の実現等がユーザーから支持されている。

 日本電機工業会(JEMA)がまとめた2023年度出荷実績(4~10月累計)では、前年同期比98.6%で推移、このうち洗濯乾燥機はドラム式がけん引してほぼ前年並みの推移となっている。

 22年度通期では、上海ロックダウンの影響で商品供給不足の影響が大きく、前年度比94%の429万台にとどまり、21年度通期実績に続き、前年割れで推移するなど苦戦を強いられた。

 一方、23年度に入ってからは、第1四半期(4~6月)に、洗濯機全体で前年同期比120.1%(JEMA統計)に盛り返し、洗濯機全体の3割を占める洗濯乾燥機は130%(同)と伸びた。直近はやや落ち着きを見せて推移している状況だ。

 洗濯乾燥機の中で、タテ型洗濯乾燥機とドラム式洗濯乾燥機のうち、ドラム式が今では7割以上を占めるまでに構成比が高まっている。今後さらに高まると見る向きも多い。

 ドラム式の商品開発にも力が入る。使い勝手の良さや節水性、省エネ乾燥の進化など、省家事・節約ニーズに応える開発が活発だ。

 省エネ乾燥の面では、ヒートポンプ乾燥機能を搭載するなど、各社の省エネ性能のさらなる向上に力を入れている。

 また、使い勝手の良さでは、近年液体洗剤・柔軟剤自動投入機能の搭載やIoT化の流れが進んでいる。乾燥フィルター自動清掃やイオン搭載による衣類の除菌・消臭、静音性、デザイン性など、総合的な商品力が強化され、市場ニーズに応えている。