2020.03.30 都内周辺の家電量販店 時短拡大や臨時休業 都や隣接県の外出自粛要請で

臨時休業したビックカメラ新宿東口駅前店

週末になれば多くの人でにぎわう新宿東口も人はまばら。ビックに隣接するヨドバシカメラ新宿東口ケータイ総合館は通常営業している(いずれも28日午前撮影)週末になれば多くの人でにぎわう新宿東口も人はまばら。ビックに隣接するヨドバシカメラ新宿東口ケータイ総合館は通常営業している(いずれも28日午前撮影)

 東京都内で新型コロナウイルスの感染者が急増している問題で、都や隣接県が26日、外出自粛の共同声明を発表した。それを受け、首都圏で多数の店舗を展開する家電量販店も対応に乗りだした。

 ヤマダ電機は27日、東京都内の一部店舗で28、29日に営業時間を短縮することを決めた。20日には全国的に通常営業に戻していたが、両日は午前10時-午後8時に営業時間を1時間短縮。都内の38店が対象だが、もともと午後8時閉店の4店舗は営業時間は変更しない。

 「30日以降の対応は現状では未定」(広報部)とする。基本は都内店舗における時短営業での対応だが、テックランドレミィ町田店(東京都町田市)に加え、神奈川のテックランド日吉東急店(横浜市港北区)は、出店している商業施設側の都合により28、29日は臨時休業する。

 ビックカメラグループは東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の一部店舗で28、29日の2日間、臨時休業を決めた。

 対象はビックカメラ池袋東口カメラ館(東京都豊島区)や新宿東口駅前店(同新宿区)、ラゾーナ川崎店(川崎市幸区)などビック10店舗、コジマ×ビックカメラ港北東急S.C.店(横浜市都筑区)のコジマ1店舗、アニメガ×ソフマップ池袋マルイ店(東京都豊島区)などソフマップ3店舗の合計14店舗になる。

 同一地区に自社の大型店があって休業店と補完関係にある店舗を選定しているほか、商業施設側の都合で休業するケースが中心となる。ビックカメラセレクト原宿店(同渋谷区)のように「感染拡大を防ぐために、人が集まりやすい店舗も一部対象にした」(広報・IR部)。

 時短営業も27日から実施している。ビックは午前11時-午後8時を基本とする時短営業を3日から実施していたが、今回、夜間の外出自粛を促すためにも、閉店時刻をさらに1時間早めて午後7時にすることを決定した。

 池袋本店では、新型コロナウイルス対策前の通常営業に比べて4時間ほど営業時間が短くなっている。ビック、ソフマップにおける1都3県の全店舗(一部除く)が対象で、30日以降も継続していく。期間については未定で、随時ホームページで情報を更新していく予定だ。コジマは30日以降、一部店舗を除いて通常営業となる。

 ケーズホールディングスは東京、神奈川、埼玉の全店を対象に時短営業を26日から再開した。新型コロナウイルス対策として2-19日に営業時間の短縮措置を取っていたが、20日以降、全国の約半分の店舗で通常営業に戻していた。

 外出自粛要請を受けて東京12店、神奈川10店、埼玉23店を対象に4月3日まで時短営業を継続し、多くの店舗が午前10時-午後7時の営業となる。「今後も状況を注視していく」(経営企画室)という。

 ヨドバシカメラは27日現在、通常営業を続ける方針だ。大手量販店では唯一、時短営業を実施しておらず、今回の外出自粛要請についても「手洗いやうがい、マスク着用などをさらに徹底していく」(広報担当)ことで、対応していく構えだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大は、量販店の売上げにも深刻な影響を与えている。都内の某大型店舗では「2月の売上げが1、2割落ちた」とし、週末の客足も大幅に減少。さらなる時短営業や休業措置は、量販店の業績に影を落とすことは必至だ。