2024.01.09 【製造技術総合特集】製造装置 主要各社の24年戦略 レクザム

住田 副社長

海外での生産能力増強に注力
グローバル化の日系企業など対応

 レクザムはプリント基板外観検査装置事業をはじめ、EMSでは空調関連、民生機器、FA、車載、医療機器など幅広い領域をカバーしている。

 住田博幸副社長は「2023年は、21年からの過去最高売り上げ更新後の状態を維持できた。これまでの部品供給不足は解消の見通しだが、中国・欧州の消費低迷によるユーザーの在庫過多で、さらなる増産へ踏み切れない」と語る。

 日本国内では、香川工場で各種マイコンのボード/応用製品、眼科医療機器、バイオ分析機器、基板外観検査装置、半導体装置用温水(風)機、薬液間接温調器などを製造。ユーザーからの脱中国化要求により、日本はもとよりインド・タイ・チェコでの生産能力増強に注力している。

 実装部門は西条工場(愛媛県西条市)に設備や人的資源を集約して効率化を図り、さらなる増産対応を見据えて新設ラインを構築した。

 海外生産拠点は、中国の深圳先隆電子および蘇州隆祥電子、タイのレクザムタイランド、インドのレクザム・ディクソン・エレクトロニクス、欧州のレクザムチェコに広がり、グローバル化を進める日系企業を中心に対応し、全拠点の生産能力は標準的な基板で月間120万~130万枚を備える。

 二つの中国工場では、これまでの部品供給不足による低効率な小ロット生産とコロナ対応による稼働時間低下で苦しめられたが、SMT19ラインと67台の基板外観検査装置での生産体制を構築し、生産工程の自動化を推進することで対前年比8%増の生産量を達成した。

 レクザムタイランドでは五つの面実装ラインを備え、440人体制で稼働している。増産に向けた設備増強のほか、現地のFORTH社とも強力なパートナーシップを結んで、BCP戦略に欠かせない重要拠点の一つとして東南アジアでの受注獲得を推進している。

 インドには、協力工場のディクソン社と設立した合弁会社レクザム・ディクソン・エレクトロニクスを置き、四つの面実装ラインの運用のほか、設計・製造から販売までを手掛けてインド経済成長に伴う需要増に対応している。