2024.01.09 CES、多彩な見どころ一堂に トレンドをCTAが解説 責任あるAIなど

テレビの進化も解説された

 今年の「CES」の注目点は―。世界のテック業界が関心を寄せる全米民生技術協会(CTA)によるプレゼンテーションが、開幕前の7日夕(現地時間)、当地ラスベガスであった。プレス向けに設けられるメディアデーの一環。生成AI(人工知能)をはじめとした最新動向が解説された。

 CESは内容がきわめて多岐にわたるだけに、全体像をつかむ一助にと、グローバル動向も背景に見どころを解説するもの。近年、リサーチ担当スティーブ・コーニング氏の登壇が恒例だったが、今回はスポークスパーソンのブライアン・コミスキー氏とジェシカ・ブース氏が掛け合いをする形で披露された。

 ●AIエコシステム

 まず、AI(人工知能)。消費者や企業の興奮を呼んでおり、実際、出展のかなりが何らかの形でAIに関わっている。AIエコシステムはチップ(半導体)やプラットフォーム、デジタルツイン、ロボットに至るまで広範囲に渡っている。

 そうした中、CTAの調査(昨年9月)では、AIに詳しい米国成人の44%は「AIが自分たちの日常生活にすでに影響を及ぼしている」または「1年以内に影響を及ぼす」と考えている。

 その中で、開発を進めるだけではなく、責任あるAIが課題にもなっており、CTAはそうしたバランスの先頭に立つ、とする。

 今回の各社の出展では、独ボッシュが進める、学校の安全性を向上させるAIソリューションの銃探知システムや、シーメンスのデ産業用メタバースなどが例示された。

 持続可能性も大きな柱。エネルギー効率の向上や、責任あるリサイクル、代替材料や電力のブレークスルーを通じて、温室効果ガス排出量削減などのため開発されたイノベーションと、企業が設定した目標が紹介される。

 CTAの調査では、米国成人の約9割が家電製品などのリサイクルが重要と答えている。オフグリッドで電力を供給できる自律型ソーラー充電ロボットや、リサイクルのためのAI搭載ロボットなどが披露される。

 インクルーシブ、つまり、だれも取り残さないような包括性(包摂性)を確保することも重要。実際、多様な経営陣を擁する企業は、イノベーションの促進で収益が向上するとの調査もある。そうした問題意識の一環としても、スマートウォッチの車椅子モードなどが展開される。

 (10日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)