2024.01.12 【放送/機器総合特集】24年 年頭所感 総務省情報流通行政局衛星・地域放送課 岡井隼人課長

岡井 課長

持続的な将来像描くことが課題
「衛星放送WG」立ち上げ

 新年のごあいさつを申し上げる間もなく、令和6年能登半島地震という大きな災害が発生しております。被災された皆さまに、心からのお見舞いを申し上げますとともに、状況の把握や復旧の作業、幅広い支援に取り組んでいらっしゃる皆さまに敬意を表します。

 衛星放送については、動画配信サービスの進展等により衛星放送を取り巻く環境が大きく変化する中、持続的な衛星放送の将来像を描くことが喫緊の課題となっています。総務省は昨年11月、「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の下に新たに「衛星放送ワーキンググループ」を立ち上げ、具体的な検討を進めています。衛星放送におけるインフラコストの低減、左旋の空き帯域の有効活用、右旋帯域の有効利用など、短期・中期にわたる諸課題への対応に関して有識者による専門的な議論を行ってまいります。

 また、4K8K衛星放送は、昨年12月に放送開始5周年を迎え、放送を視聴可能な機器の出荷台数も9月末には累計1750万台に達するなど、視聴環境は着実に整ってきております。総務省では、昨年11月にBS放送の右旋帯域において4K放送を行う衛星放送事業者3者を認定したところであり、引き続き、4K8K衛星放送のさらなる普及・拡充に向けて取り組んでまいります。

 ケーブルテレビは、現在では世帯普及率50%を超えるメディアとなるまでに発展しております。地上放送や衛星放送の再放送、コミュニティーチャンネルによる地元密着の放送番組に加え、通信サービスなどの幅広い事業も併せて展開されております。今般の地震のような災害時には、地域の方々の生命・財産の保護に資する情報や、ライフラインに関連する情報などを伝達する手段としても期待されております。

 ケーブルテレビの果たす役割の重要性を鑑みて、総務省ではケーブルテレビネットワークの光化など耐災害性強化の取り組みを支援するほか、老朽化等の課題を抱える辺地共聴施設への支援も拡充しております。また、集合住宅における4K8K放送への対応等を促進するため、ケーブルテレビネットワークのラストワンマイルへのローカル5Gの活用にも取り組んでいます。

 コミュニティー放送については、全国各地で340を超える事業者が、生活情報、防災情報を含む行政情報など、地域の需要に応じたきめ細かい情報提供を行っております。小規模な事業者も多く活躍されているため、総務省では、経営基盤の強化などに資する施策も進めております。

 社会環境が変化する中においても、安定的かつ信頼性のある情報発信という役割を持つ放送を維持、発展させることは重要です。総務省では関係事業者・団体などの皆さまと連携しながら、衛星放送、ケーブルテレビ、コミュニティー放送などのさらなる発展に向けた取り組みを本年も進めてまいります。