2024.01.16 【半導体/エレクトロニクス商社特集】半導体/エレクトロニクス商社 24年の経営戦略 シナダイン 吉田一社長
吉田 社長
特徴ある商材の拡充で事業拡大
シナダインは、台湾はじめ米国、欧州、豪州など海外半導体・光エレクトロニクス関連の特徴ある商材の拡充により事業を拡大している。
吉田一社長は「2023年度は半導体のスマートフォンやパソコン向け需要が一巡し、半導体メーカーの一部が生産ラインを産業用ICの生産にシフトしたことで、長納期の半導体の供給が一部改善された。一方で燃料・原材料価格の高騰や国際紛争などにより、景気の先行きの不透明感から製造業の設備投資に減速が続き、当社の業績も影響を受けている」と分析する。「24年度は生成AI(人工知能)など技術革新によってデジタル投資が拡大することが想定され、電子部品の需要が回復、ソリューションビジネスも伸長するのではないか」と述べる。
同社は成長性や安定性のある通信、ヘルスケア、産業機器、環境技術、防衛、車両、鉄道分野などに向けて特徴ある商材をそろえ、ソリューション提案の拡充により市場開拓に努めている。
代表的な製品は、薄型のラミネートタイプながら大容量・高電圧・低ESRを実現した豪州CAP-XX社製のDMT/DMFスーパーキャパシター、鉄道・医療規格に対応している台湾P-DUKE社製のAC-DC電源モジュール/DC-DCコンバーター、台湾BKSTEC社製の最大15メートル伝送可能なUSB3.2 Gen2 アクティブ光ケーブルなどがある。国内メーカーではハイパースペクトルカメラ・近赤外線カメラなどのラインセンサー用に開発された河北ライティングソリューションズ社製の照明ユニットの引き合いが増えている。
23年は7月の「テクノフロンティア2023」(東京ビッグサイト)、11月の「鉄道技術展2023」(幕張メッセ)に出展し、P-DUKE社製品を主に紹介した。
吉田社長は「当社ブースに想定以上の来場者があり、引き合いも多く、今後のビジネスに大きな手応えを感じた。24年も積極的に展示会に出展する。新たな商材の発掘や事業の柱を構築するため、人員の増強と人材育成に取り組む。既に若手営業部員とマーケティング部員の目標人員が増員できた」と話している。