2024.01.16 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エレクトロニクス商社 24年の経営戦略 三信電気 鈴木俊郎COO
鈴木 COO
海外半導体製品の拡販に注力
三信電気は、半導体・電子部品を扱うデバイス事業と情報通信ネットワークを核としたシステム提案・構築を行うソリューション事業を展開している。
2023年の半導体・電子部品市場は、インフレや地政学的リスクの影響もあり、前年比マイナス成長となった。同社もデバイス事業では厳しい状況が続く一方、ICT市場は伸長。ソリューション事業では、新たなマーケット拡大を目的とした「アライアンスワーキンググループ」を23年4月に設置した。新規商材開拓と新領域拡大、ビジネスユニット間での顧客深耕を進め、組織の壁を超えた活動を加速させる。
鈴木俊郎代表取締役社長執行役員(COO)は「23年は営業を支援するインフラの強化、社内DXにも取り組んだ。SFAやCRMなどが今期中に稼働し、24年度(25年3月期)から事業に貢献する」と話す。
24年度はデバイス事業では、海外半導体製品の拡販に取り組む。昨年にはマーケティング機能を強化するため「半導体技術ユニット」を強化するなどし、最適なプロモーションを行える体制を構築。外資系仕入れ先との戦略共有を図り、国内シェア拡大の期待に応える活動を進める。
着実に実績を伸ばしているIoT分野も継続的に注力する。「医療や物流分野では人手不足を背景に業務効率化へ向けたIoT投資が活発化し、防災面でも人命を守るIoTが市場を形成しつつある」(鈴木COO)とし、実績拡大を進めていく。
ソリューション事業では技術力を背景とした提案を加速する。クラウドやセキュリティー、DX、映像などをテーマにビジネス拡大を目指す。
さらなる成長に向け、グローバル市場への営業戦略も加速する。日系企業の開発拠点が海外に移管する動きに合わせ、現地でのデザイン機能を強化。車載分野を中心にローカル企業への提案も積極的に行い、ビジネス拡大を図る。
鈴木COOは「今後成長が見込まれるインド市場への展開も検討しており、顧客ニーズを踏まえ、取り組み方針を決める。24年度は次期中期経営計画がスタートする重要な年。今期を良い形で締めくくり、持続的な成長につなげていく」と意気込みを語る。