2024.01.16 【半導体/エレクトロニクス商社特集】半導体市場予測 WSTSまとめ
24年は13%増の87兆円
生成AI関連で需要が伸長
世界の半導体メーカーが加わる世界半導体市場統計(WSTS)が昨年発表した秋季半導体市場予測では、2024年の半導体市場は前年比13.1%増の5883億ドル(約87兆円)になる見通し。
春季の予測では同11.8%増の5759億ドルという見通しが発表されていたが、それよりも上振れした形になった。
景気回復で23年は落ち込んだが、需要持ち直しで、過去最高だった22年(5740億ドル)を2年ぶりに更新する見通し。生成AI(人工知能)関連で半導体の需要が伸びるほか、スマートフォンやパソコン、民生品向け需要も回復しそうだ。
まとめによると、22年の世界半導体市場は前年比3.3%増となった。世界的インフレや利上げ、地政学的リスクなどが消費や設備投資に影響し、半導体市況は年途中からメモリーなど多くの用途・製品で悪化した。23年は同9.4%減と19年以来4年ぶりのマイナス成長を予測。22年途中から続く下押し要因から、ほとんどの製品で年前半はマイナス成長だった。
一方、利用が急拡大している生成AIの恩恵を受けやすいロジックの急増をはじめ、メモリーやマイクロなどの需要も改善して、年後半に向けて市場は回復に転じており、通年では前年比1桁のマイナスにとどまるとみる。また、省エネ・高効率化に不可欠なパワーディスクリートは年間を通して安定成長を見込む。
24年は市場が再拡大すると予測。生成AI関連やパワーディスクリートの需要が引き続き成長するのに加え、年後半からの景気回復期待を念頭に、電子機器全般の需要が拡大するとの想定も織り込まれた。
製品別市場
23年の製品別市場動向(世界市場、ドルベース)は▽ディスクリート=前年比5.8%増/市場規模360億ドル▽オプト=同3.0%減/426億ドル▽センサー&アクチュエーター=同10.9%減/194億ドル▽IC全体=同11.0%減/4222億ドルと予測。
ICの製品別では▽メモリー=前年比31.0%減▽ロジック=同0.9%減▽マイクロ=同3.2%減▽アナログ=同8.9%減と予測した。
24年は▽ディスクリート=前年比4.2%増/市場規模375億ドル▽オプト=同1.7%増/433億ドル▽センサー&アクチュエーター=同3.7%増/201億ドル▽IC全体=同15.5%増/4875億ドルと予測。
ICの製品別では▽メモリー=前年比44.8%増▽ロジック=同9.6%増▽マイクロ=同7.0%増▽アナログ=同3.7%増と予測した。
また、日本の半導体市場は24年に同8.0%増と成長が再加速し、市場規模は約7兆1221億円になると予測している。