2024.01.18 【情報通信総合特集】ソリューションプロバイダー 24年の見通し・経営戦略 サンテレホン 鈴木健一社長

ネットワークカメラ好調
新規で環境・防災関連を強化

 ICT市場はDX、働き方改革などにより堅調に推移している。こうした中、当社の2023年度業績は、既存分野、新規事業分野とも好調で当初の計画を上回り、2桁の増収増益で推移している。

 当社は、GIGAスクールや東京オリンピックなどの特需があった20年度に過去最高業績を記録した。23年度は、特需はないが、過去最高水準になる見込みだ。力を入れてきたソリューション商材が成果を上げている。

 ソリューションでは、引き続きソーシングソリューション、テクノロジーソリューション、プロダクトソリューション、ロジスティックソリューション、統合プラットフォームソリューション、の五つのソリューションに注力している。

 特にネットワークカメラが好調に推移し、前年比約20%増の高い伸びとなっている。ネットワークカメラは、監視目的だけでなく、製造現場など市場の裾野が広がっており、今後、人流分析などデータを活用した領域がさらに拡大する。無線LAN、セキュリティー、データセンター(DC)関連も堅調だ。

 また、新規事業では、環境・防災関連を強化している。中でも避雷針による雷保護システムが非常に好調で、展示会でも注目を集めて引き合いが活発だ。今後、洋上風力発電設備用にも用途を拡大していく。このほか、太陽光発電パネルや蓄電池のリユースビジネスにも積極的に取り組んでいる。

 昨年は、東京で5年ぶりにICT総合展示会、主要都市でソリューション展示会を開催した。各展示会とも予想以上に盛況で、来場者も前回を大きく上回った。注力商材を訴求する良い機会になっており、今年も各地で開催する計画だ。

 23年度は、現中期経営計画の最終年度に当たるが、ほぼ計画を達成する見込みだ。24年度は新中計をスタートする。新中計を30年度に売上高1000億円に向けての足場固めと位置付けている。

 商材的には、ソリューションをさらに強化する。人材への投資も積極的に行っていく計画で、教育プログラムなども整備する。また、一段の効率経営を進めていくため、昨年刷新した基幹システムとお取引先さまとのEDI連携による受発注の自動化など効率化を加速させる。

 海外事業は、ベトナム、タイを拠点にASEANビジネスを強化。また、海外からの商材調達にも注力する。

 持続可能な成長へ、サステナビリティー経営を推進、当社が果たすべき社会的役割など皆で共有していく。